(突然の病につき、草稿メモ/構想メモを所々に含めたままあえてアップしています。何かのヒントを残せるかも
知れませんので。)
東電騙しの手口:東電の情報操作「吉田神話的お涙頂戴的浪花節的文学的叙情的情報操作」
上記が功を奏したのか、マスコミの報道が突如及び腰になったのを覚えている。
それは、東電が「現場の大変さ」「冷たい弁当」「雑魚寝」等をマスコミに流してからのことである。
「注水用消防車の燃料が切れていた」って東電はいったい何をやっているんだと言っていた司会者が、
翌日、現場の人は悪くない、頑張っていて大変と言いだした。うっかり現場を批判しようものなら白
い目で見られる。そういう空気が流れた。そして、センセーショナルな吉田所長のテレビ会議映像や
センセーショナルな発言が東電からマスコミへ効果的に提供された。吉田神話の始まりである。吉田
神話が全ての疑問を覆い隠したのである。命を張って本店に立ち向かい国からいろいろ言われながら
一所懸命やったじゃん、と。これ以上は出来っこないじゃん、と。
東電の騙しの手口が功を奏したのか、マスコミも科学ジャーナリストも、東電報告書の嘘に気付くこ
とは無かった。
2)その時、その後、東電は何をしたのか
もしも、福島第一原発近辺で大災害が起こり、汚染水汲み上げ機能が停止するような事態が発生した場合、
莫大な放射性物質を含んだ地下水が太平洋へと流れ込み、放射性物質が食物連鎖で世界中の海へと拡散し、
あちこちの漁場で日本由来の放射性物質が検出されることとなる。
魚を食べた鳥により世界の山川へと拡散し、世界の山川から日本由来の放射性物質が検出されるようになる。
このようになると、日本は世界中から補償を求められ、そして、日本は滅亡する。
その危機は現在も存在しているのである。
このような事故は二度と起こしてはいけないし、このような事故は何としても防がなくてはいけない。
日本を滅亡させないために。
もし東電が「福島第二原発を差し出す替わりに、柏崎刈羽原発の再稼働だけはなんとか」などと考えているとしたら、
それは単なる感情論であって論理的ではない。過酷事故に耐え抜いた福島第二原発を再稼働させるだけのエネルギー
と気迫が東電に残っていないとしたら、柏崎刈羽原発の再稼働もあり得ない。両方有りか、両方無しかである。
再生可能エネルギー完全移行までの繋ぎとして、緊急避難的に原発を再稼働させるとしたら、安全対策に本腰を入れな
ければならない。日本を滅亡させないために。
原発再稼働の条件:当サイトの疑問について、報告書を作成し、それに基づく再発防止策を講じ、公表すること。
そもそもの疑問
想定内の事態発生に対しては、プラントが自動対応し自動処理する。想定外の事態発生に対応するために、人間がいる。
想定外の事態発生に対して、人間はいったい何をしていたのか?
震度6強の大規模地震後に、津波に襲われなければメルトダウンが発生しなかったのは確かであるが、
だからと言って、
津波に襲われたら必ずメルトダウンが発生するかと言ったら決してそういう訳では無い。
メルトダウンを防いだ(福島第二原発)か、
メルトダウンをさせてしまった(福島第一原発)かは、
人間に由るのである。
以下、「事実は小説よりも奇なり」。
そもそもの疑問
想定内の事態発生に対しては、プラントが自動対応し自動処理する。想定外の事態発生に対応するために、人間がいる。
想定外と称する3.11の事態発生に対して、人間はいったい何をしていたのか?
以下、証拠資料を示しながら話を進めます。(リンクをクリックするとポップアップ画面が表示されます)
1)削除
2)削除
3)削除(IC関連)
4)津波後の運転員の士気は?
(20120620 別紙2(主な時系列)pdf144〜pdf145枚目(「我々がここにいる意味があるのか」と紛糾した。).pdf(p
『 ・ 恐怖心というより電源を失って何も出来なくなったと思った。若い運転員は不安
そうだった。「操作もできず、手も足も出ないのに我々がここにいる意味があるの
か、なぜここにいるのか」と紛糾した。(最後はどう収めたのですかの問いに対し
て)自分が「ここに残ってくれ」と頭を下げた。続いて別の当直長も無言で頭を下
げてくれた。(略)
・ 手も足も出なかった時、何もできないから非常用の乾パンと水を取ってきて食べろ
と指示し、少しでも落ち着かせようとした。
・ 一部の人からここに残ってどうなるんですかという意見があり、他の人も口には出
さないが同じような思いだったと思う。気分が悪くなって横になった人もいて、そ
の人は今も(注:聞き取り時点)出社できない状況。 』
それにしても、
指揮命令と手順書と訓練は、一体全体どうなっていたのか?
5)指揮命令について
上記pdf内には、まるで組合の団体交渉のようなシーンがある。なぜ、このようなことが起こるのか。
それはゴールがないからである。ゴールとは何か?
例えば、所長指示で、
「発電所対策本部は、1号機は24時間以内に、2号機は48時間以内に、3号機は72時間以内に、
残留熱除去系を応急復旧せよ。」
後は、本店と国に具体的全面協力を要請する。 (20110312福島 第2原発 の場合の自衛隊機支援画像)
「運転員は、上記の時間、プラントを守り切れ。」
「運転員は、プラントを守る牽引役であり、プラントを守る指揮者であり、プラントを守るトップである。」
「運転員は、プラントを守るクライアントであるので、プラントを守るための要望をいっぱい出せ。」
例えば「原子炉圧力が分からないのでプラントが守れない」 → 原子炉建屋2階の計装ラックで直接読取可能。
上記は取り敢えず。原子炉建屋の放射線量が高くなった場合、下記方法がある。
例えば「原子炉圧力が分からないのでプラントが守れない」 → バッテリー2個24Vで代替計測が可能。
上記は取り敢えず。利便性から下記方法がある。
例えば「原子炉圧力が分からないのでプラントが守れない」 → 照明用小型発電機120V電源で直接読取可能。
例えば「原子炉水位が分からないのでプラントが守れない」 → バッテリー2個24Vで代替計測が可能。
例えば「原子炉水位が分からないのでプラントが守れない」 → 照明用小型発電機120V電源で直接読取可能。
例えば「D/W圧力が分からないのでプラントが守れない」 → 原子炉建屋2階の計装ラックで直接読取可能。
例えば「D/W圧力が分からないのでプラントが守れない」 → バッテリー2個24Vで代替計測が可能。
例えば「D/W圧力が分からないのでプラントが守れない」 → 照明用小型発電機120V電源で直接読取可能。
例えば「S/P圧力が分からないのでプラントが守れない」 → バッテリー2個24Vで代替計測が可能。
例えば「S/P圧力が分からないのでプラントが守れない」 → 照明用小型発電機120V電源で直接読取可能。
例えば「S/P水温が分からないのでプラントが守れない」 → 照明用小型発電機120V電源で直接読取可能。
例えば「SR弁が開けないのでプラントが守れない」 → バッテリー10個120Vで代替可能。
例えば「ICが動作しているのかどうは分からない」 → 原子炉建屋2階の計装ラックの圧力計で圧力高なら停止中。
例えば「バッテリー喪失中でICで原子炉を冷やせない」 → 原子炉建屋で2A弁3A弁を手動で開け。
例えば「ポンプ電源喪失で代替注水が出来ない」 → ろ過水タンクとの水頭圧差で代替注水可能(後述)。
断っておきますが、当方 メール交換システムの運転をしたことはありますが、原発はズブの素人です。
ゴールが明確になれば、人は変わる。プラントを守るための色々な方法論が、湧いて出て来る。
後は、本店と国の全面的協力を受けるだけである。上記など、経産省で業者とかメーカが直ぐに分かりとヘリであっと
言う間に集まる。
(のんびりとホームセンターへバッテリーを買出しに行っていたのは、何処の誰でしたっけ)(TV会議証拠掲載は後日)
その時、ゴールを示すべき吉田所長は、
(20110722 いわゆる吉田調書 020 pdf23枚目(絶望していました。).pdf(popup))
『 回答者 絶望していました。基本的には、私自身ですね。シビアアクシデントに入るわけですけれども、
注水から言うと、全部のECCSが使えなくて、IC と RCIC が止まって、HPCIがありますけれども、
それらが止まった後、バッテリーが止まった後、どうやって冷却するのかというのは、検討しろと
いう話はしていますけれども、自分で考えても、これというのがないんですね。
質問者 答えがない。
回答者 答えがないんです。 』 答えはあるんです。残留熱除去系を応急復旧させることです。その他、色々、
(20110808 いわゆる吉田調書 2 pdf19枚目(実際に直接運転をやった経験がないものですから、).pdf(popup))
『 』 ←書き出しは後日、時間があったら
しかも or しかし、下記は、強がりなのか見栄なのか本当なのかは、分からない?
(20111106 いわゆる吉田調書 348 pdf58枚目(手順書、、私は開いていません).pdf(popup))
『 』 ←書き出しは後日、時間があったら
そんなバカな? カラヤンカイナ?
手順書を開いていたら、絶望していなかったかも知れない。
手順書を開いていたら、メルトダウンしていなかったかも知れない。
手順書を開いていたら、残留熱除去系の応急復旧指示を出していたに相違ない。
所長がこんな状態では、メルトダウンさせてしまわない方がおかしい。
(20111220 事故時運転操作手順書 序文 pdf10枚目(1号機:事故時運転操作手順書の体系).pdf(p))
『 事象整定(RHRによる除熱の確立) 』
原子炉を永続的に冷却しようとしたら、RHR(残留熱除去系)を応急復旧させれば良いし、させねばならぬ
のである。「無限にある海水」を無限に使おうとしたら、熱交換器を介して海水へ残留熱を放出するしか、
方法がないのである。
なお、上記体系図のRHRは、1号機の場合はSHCである。つまり、上記体系図は間違いである。下記参照。
(20120620 添付資料 pdf554枚目(1号機の冷温停止は:SHC(原子炉停止時冷却系)).pdf(popup))
上記を想定して(所長は運転経験者ではないことが多いので)、
原子力災害対策特別措置法には下記の規定がある。
(所長は大学卒で本社経験が多く現場での運転経験はほぼ無い、当直長(ローカル的運転資格獲得者)および運転員は
高卒で長年の運転熟練経験者。なお、吉田所長は、ローカル的運転資格は持っていない。)
(20100608 原子力災害対策特別措置法(事故前最終版).html(popup))
(原子力防災管理者)
第九条 原子力事業者は、その原子力事業所ごとに、原子力防災管理者を選任し、原子力防災組織を統括させなければ
ならない。
2 原子力防災管理者は、当該原子力事業所においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。
3 原子力事業者は、当該原子力事業所における原子力災害の発生又は拡大の防止に関する業務を適切に遂行すること
ができる管理的又は監督的地位にある者のうちから、副原子力防災管理者を選任し、原子力防災組織の統括について、
原子力防災管理者を補佐させなければならない。
4 原子力事業者は、原子力防災管理者が当該原子力事業所内にいないときは、副原子力防災管理者に原子力防災組織
を統括させなければならない。
(20111220 3号機(兆候ベース) 7. 不測事態「水位不明」pdf7枚目(ろ過水タンクから水頭圧差で注水可能).pdf(p))
『(補9)RHRS ポンプが起動できない場合でも原子炉圧力が低い場合は注水ラインを構成すればろ過水タンクの
水頭圧差により雑用水系から原子炉へ注水することができる。 』
ろ過水タンク(8000m3(トン) x 2基)は標高40mの小高い丘の上に設置されており、水頭圧差がある。
自動車バッテリー x 10個 120V でSRVを全開放し、急速減圧を実施すれば、かなりの荒療治でありリスクはあるが、
原子炉への注水が可能である。
全電源が喪失していたとしても、水頭圧差で、注水が可能である。
なお、消防自動車が有ればそれに越したことはない。
また、S/Pの上部空間が埋まるまでの時間、約3日間の冷却が可能である。
但し、上記手順書内への記載に際し、全電源喪失下で実際に試験済であればの話である。
6)削除(IC関連)
実のところ、何が事実か分からない。なにせ東電の報告書の目指すところは、
報告書全体のトーンを「吉田神話的お涙頂戴的浪花節的情報操作的文学的報告書」にすることで
あって、「科学的報告書」からは出来るだけ遠ざけ、尻尾を掴まれぬように煙に巻くことである。
であるからして、東電ビデオ会議のテレビ局への初公開は吉田神話的センセーショナルなものと
し、報告書を吉田神話的色眼鏡で見るように企(たくら)んだのである。そして、現場の苦労を
クローズアップし、同情を誘い、東電への批判を押さえ込むと同時に、マスコミあるいは科学ジャ
ーナリストによる真相事実追及への芽をも摘み取ったのである。
そうは、いくもんか!
7)原災法第15条報告義務違反の数々
原災法第15条報告は、総理大臣による緊急事態宣言および住民への避難指示に該当する事象が発生した場合に、
原発が発する報告である。
そもそも、下記の「原災法第15条報告の第一報」は遅い上に、内容が全く酷くて目も当てられない!
(20120914 2011年3月11日16時36分(原災法第15条-1報(FAX)).pdf(p)) 津波第二波は15時35分:発出が遅い
『 3月11日16時36分 原災法第15条報告 1、2号機
原子力緊急事態に該当する事象の種類:非常用炉心冷却装置注水不能
「1、2号機の原子炉水位の監視が出来ないことから、注水状況が分からないため、
念のために「原災法15条」に該当すると判断しました」 』
原災法第15条報告は、総理大臣による緊急事態宣言および住民への避難指示に該当する事象が発生した場合に、
原発が発する報告である。
つまり、非常に重く、重要な報告である。「念のために」出すような報告では、決してない。
監視が出来ていないのは水位だけではない。
津波が来襲し、圧力も、温度も、運転状況も、監視が出来ていない。
津波が来襲し、「直流電源喪失(全喪失)」状態であり原災法第15条報告該当事象が発生しているのである。
津波が来襲し、「中央制御室等使用不能」状態であり原災法第15条報告該当事象が発生しているのである。
正に、原災法第15条該当事象のオンパレードなのである。
それなのに、ああそれなのに、それなのに、
上記の原災法第15条該当事象が抜けているばかりか、
念のために「緊急事態宣言」をしてくれとか、念のために「避難指示」を出してくれとか、これは無責任である。
念のために「緊急事態宣言をしてくれ」と言われて、おいそれと宣言ができますか?
念のために「住民に対して避難指示を出してくれ」と言われて、おいそれと「避難指示」が出せますか?
このFAXを受け取った、国も、県知事も、町長も、その中途半端な内容に、迷い、困惑し、さてどうしたものか
と心を悩まし、中途半端な状態に置かれたに相違ありません。
警察消防はどうするの? 地震津波被災者を助けるの? 避難整理に確保しておく必要が有るの無いの?
避難困難者、病院、入院患者、等へは事前に知らせた方が良いの良く無いの? いったいどっちなんだ?
所長が情報の交通整理をするべきでしょう。
所長が「俺が責任を取るから「念のために」を消去しろ」と言うべきでしょう。
そもそも即刻報告しなければならない報告が、津波から約1時間後と大幅に遅れているばかりか、「原子力緊急
事態に該当する事象の種類」の中の「直流電源喪失(全喪失)」「中央制御室等使用不能」は完全に該当してい
るにもかかわらずこれが抜けている。
飛行機に例えれば「コックピットは真っ暗でしかも操縦不能状態です」と報告すべきです。
「高度計が表示しなかったり、したり、しなかったりしていて、高度がよくわかりません」という報告だけでは、
危機的状況が本店にも国にもさっぱり伝わりません。
(20110729 いわゆる吉田調書 051 pdf38枚目(本店にしても、、ものすごい恨みつらみが残っていますから).pdf(p))
『 本店にしても、どこにしても、これだけの人間でこれだけのあれをしているのにもかかわらず、実質的な、
効果的なレスキューが何もないという、ものすごい恨みつらみが残っていますから。 』
「実質的な、効果的なレスキュー」は、残留熱除去系の応急復旧に関わる支援であるが、応急復旧指示自体を発してい
ない。
吉田所長の会話の中には『 これだけのあれをしているのにもかかわらず 』というような、抽象的な言い回しが随所に
出て来るが、何を言っているのかさっぱり分からない。
それにしても、東電テレビ会議の半分位が冗長で伝言ゲームのようにすれ違っていて何かおかしいと思っていたが、
下記で納得が行った。
(20110808 いわゆる吉田調書 2 pdf19枚目(実際に直接運転をやった経験がないものですから、).pdf(popup))
『 』 ←書き出しは後日、時間があったら
しかも or しかし、下記は、強がりなのか見栄なのか本当なのかは、分からない?
(20111106 いわゆる吉田調書 348 pdf58枚目(手順書、、私は開いていません).pdf(popup))
『 』 ←書き出しは後日、時間があったら
そんなバカな? カラヤンカイナ?
(20120705 国会事故調 本編 pdf306枚目(緊急事態宣言の発出が2時間遅れた).pdf(p))
『 菅総理は、「本当に全部落ちたのか」、「予備のバッテリーがあるはずだ」 』
本来、菅総理のこの質問「本当に全部落ちたのか」、「予備のバッテリーがあるはずだ」は、吉田所長がFAX送信前
に部下に対してしなければならない当然の質問である。設備は二重化されているのが当然で、原子炉の水位計は、
バッテリーAの水位計と、バッテリーBの水位計の2つがある。もし、両方のバッテリーが喪失しているとすれば、
「直流電源喪失(全喪失)」であり、原災法第15条第1項に基づく特定事象に即該当し、緊急事態宣言対象事象で
あり、住民避難指示対象事象である。さらに、直流電源が失われればプラントの制御が出来ないので、
「中央制御室等使用不能」であり、原災法第15条第1項に基づく特定事象に即該当する。
『 念のために 』どころではなく、原災法第15条第1項に基づく特定事象に2つも完全に該当しているのである。
吉田所長が『 原子炉水位の監視が出来ない 』理由を聞き出せば、原災法第15条第1項に基づく特定事象に2つも
完全に該当していることに行き着く筈である。しかも、2機もである。2機もが、非常事態に陥っているのである。
当然のことFAXの書き直しを命じなければならないし、FAXが書き直されていれば、
次行の「緊急事態宣言の発出の遅れ」は発生しない。また、「住民避難指示の遅れ」も発生しない。
「緊急事態宣言の発出の遅れ」について、当サイトは「国会事故調」とは見解が違う。「念のため」とFAXに
書かれていたら「ハイそうですか」という訳にはいかないでしょう。
「念のために緊急事態宣言」を発出し「念のために住民避難指示」を出す。そんなこと簡単に出来ますか?
(20120914 2011年3月11日16時45分(原災法第15条-2報(FAX)).pdf(popup))
『 2号機については、原子炉水位の監視ができないことから、ECCS系の注水状況が不明なため、
原災法第15条事象と判断 』 ←「念のため」の域を脱していない。↓下記の「監視が回復」があるかも。
『 1号機については、水位監視が回復したことから原災法第15条事象を解除いたします。 』
1号機15条解除、注水状況が確認出来たということか?
ならば「非常用炉心冷却装置注水不能」ではなく注水可能だったということか? いったいどうなんだ?
管理者が当然問うべき質問。管理者不在
(20120914 2011年3月11日17時07分(原災法第15条-3報(FAX)).pdf(popup))
『 1号機については、再び原子炉水位の監視ができないことから、注水状況がわからないため、
念のため、原災法15条に該当すると判断しました 』
原子炉水位の監視不可、なぜ不可なのか?
管理者不在。
ここから見えてくるのは、現場が事態を掌握する能力および組織力を全く有していないということである。
そもそも、事態を掌握すべき組織が存在しているのかどうか? 現場はいったいどうなっているのか?
いったい何人の人が残っているのか? 現場で何かとんでもないことが起こっているのではないか?
現場を確認してみる必要がある→現場視察の必要性。
それにしても、これは全く酷い、なぜ監視が出来ないのか聞き出すのが管理者の役目?
このとき所長は不在、あるいは所長のチェックをスルーしていたのではないか?
(20110311 原子力緊急事態宣言 3月11日 (金) 16時36分発生/19時3分発出.pdf(popup))
本当は「原災法第15条該当事象」が複数発生していたのにも関わらず「念のため」「解除」
「念のため」等の曖昧な中途半端なFAXだったので、発出が遅れた上に、避難指示は出されず。
なお、下記は「原災法第15条該当事象」であり、16時に避難指示が出されていてもよい案件である。
(20120620 本編 pdf143枚目(11日15時42分、発電所長は原災法第10条該当事象と判断した ).pdf(pop))
『 ・ 11日15時37分、津波の浸水によって、全ての交流電源を喪失。前後して、建
屋内への海水の浸入を思わせる警報が発生、直流電源も喪失し、中央制御室の照明の
他、監視計器や各種表示ランプも消灯、警報音も消え中央制御室は一瞬シーンとなっ
た。最初は何が起きたか分からず、目の前で起こっていることが本当に現実なのかと
疑いたくなるような状況であった。その後、「海水が流れ込んで来ている」と大声で
叫びながら、ずぶ濡れの運転員が戻ってきたことで、中央制御室の運転員は津波の襲
来を確信した。
・ 11日15時42分、発電所長は原災法第10条該当事象(全交流電源喪失)と判
断した。 』
直流電源が喪失し、中央制御室等使用不能であるので、原災法第10条該当事象ではなく、
内閣総理大臣による「緊急事態宣言」「避難指示」に該当する原災法第15条該当事象である。
この判断ミスによる報告の遅れ、およびその後の曖昧な報告が「緊急事態宣言」および「避難指示」の遅れに繋がり、
その遅れが避難の混乱に繋がり、双葉病院の患者50人の災害関連死という悲劇に繋がる。
的確な報告を行えば、事象の進展スピードとの関係で避難時間に余裕が出来る。
的確な報告を行なわなければ、その間に事象が進展し、ベントとかち合い、避難時間に余裕がなくなり、避難の混乱に
繋がる。
(20120914 2011年3月11日?時?分(FAX送付は21時02分)(原災法第15条-5報(FAX)).pdf(popup))
『 2号機において、原子炉水位が不明であり、RCIC系により原子炉への注入状況も確認できないため、
原子炉水位がTAFに到達する可能性がある。
そのため、地域住民に対し、避難するよう自治体に要請の準備を進めております。 』
公式文書(FAX)で、「念のため」などと言い、しかもそれが解除されたり二転三転している状況であったことから、
国は19時3分に言い訳がましい「原子力緊急事態宣言」を不承不承出したものの、「避難指示」は出していなかった。
東電は事前に取り決めたルールに従って公に動かずに、ローカルで非公式にコソコソ動く。東電っていったい何なん
だ。
ちなみに、国が3km圏内の避難指示を出したのは21時23分である。
(20120705 国会事故調 本編 pdf322枚目(避難指示に混乱).pdf(popup))
『 最初の半径3km圏内の避難指示が発せられたのは、緊急事態宣言の発出からさらに2時間余りが経過した
21時23分である。その間、福島県が、政府から避難指示等が出されないことに危機感を募らせ、独自の
判断で半径2km圏の避難指示を(20時50分に既に)発していたこともあって、自治体や住民の間に大きな
混乱が生じた。 』
8)津波後の運転の大問題について(その1)
20111206 別添2:保安調査 pdf8枚目(IC:格納容器外の弁を手動で開けることは可能であったが、).pdf(pop)
1)『 18:18 の開操作以前には、ICについて特段操作を行なっていないが、[黒塗り]
津波直後の数時間はプラント全体の状況把握に取り組むのが精一杯で、
ICに集中して対応できる状況ではなかったことを理由としてあげている。 』
2)『 また、(1)直流電源がないと中操では開操作が出来ないこと、 』
3)『 (2)現場で格納容器外の弁を手動で開けることは可能であったが、
格納容器内の弁が閉まっている可能性があったことも背景にあったとのこと。 』
以下、コメント
1)『 18:18 の開操作以前には、ICについて特段操作を行なっていないが、[黒塗り]
津波直後の数時間はプラント全体の状況把握に取り組むのが精一杯で、
ICに集中して対応できる状況ではなかったことを理由としてあげている。 』
「熱中症患者が緊急搬送されて来たが、数時間は、住所氏名職業年齢体重身長血圧脈拍血液検査家族構成行動履歴濃厚
接触者等、全体の状況把握に取り組むのが精一杯で、熱中症患者の冷却に集中して対応できる状況ではなかった。」
(20120620 別紙2(主な時系列)pdf144〜pdf145枚目(「我々がここにいる意味があるのか」).pdf(p
『 ・ 恐怖心というより電源を失って何も出来なくなったと思った。若い運転員は不安
そうだった。「操作もできず、手も足も出ないのに我々がここにいる意味があるの
か、なぜここにいるのか」と紛糾した。 』
3)『 (2)現場で格納容器外の弁を手動で開けることは可能であったが、
格納容器内の弁が閉まっている可能性があったことも背景にあったとのこと。 』
上記によれば『 現場で格納容器外の弁を手動で開けることは可能であったが 』実際に開ける操作はしなかった。
なぜ開ける操作をしなかったかというと、
『 格納容器内の弁が閉まっている可能性があったことも背景にあった 』とのことであるが、
仮に格納容器内の弁が閉まっていたとしても、上記の弁を開けることになんのリスクもない。
仮に格納容器内の弁が開いていた場合、IC配管の漏洩の場合のリスクを伴うが、皮肉なことに津波前に圧力を最高圧まで
上げてIC配管の健全性を徹底的に確認しているので、そのリスクは考えなくて良い。
つまり、格納容器内の弁が閉まっていたとしても開いていたとしても、リスクは考えなくて良い。
つまり、格納容器内の弁の状態が、格納容器外の弁を手動で開けることを躊躇させる理由は何も無い。
もし、格納容器外の2A弁および3A弁を手動で開けていれば、メルトダウンを防ぐことができたのに。
9)津波後の運転の大問題について(その2)
(20111202 (中間)本編 pdf100枚目 頁90(1号機 3月11日の状況).pdf(popup))
『 16時40分頃から17時頃にかけて、それまで見えなかった原子炉水位(広帯域)が
一時的に確認(16時42分 TAF(有効燃料頂部)+250cm相当)できるようになり、
津波来襲前の水位より低下していることを確認した。 』 ←通常水位マイナス184cm
上記16時42分の水位計指示値は、下記pdf内の緑色画像内のメモより
、-90cmであり、
下記pdf内のホワイドボードのメモより、16時57分の水位計指示値は、-150cm以下であるので、
15分間で水位が60cm以上低下しており、毎分4cm以上の速度で水位低下中の異常事態発生中ということになる。
上記、16時42分のTAF(有効燃料頂部)までの水位は+250cmであるので、
燃料が露出するまでの時間を計算すると、250cm / 毎分4cm以上 = 62.5分以内であり、
燃料が露出する時刻を計算すると、16時42分 + 62.5分以内 = 17時44.5分以前である。
(20120620 別紙2(主な時系列)pdf38枚目 頁36(水位計指示値 16:42 -90cm 16:57 -150cm以下).pdf(popup))
上下のpdf内の情報を算術すれば、冷却水は毎分4cmの速度で低下中であり、
16時42分の約63分後、つまり17時45分頃には、燃料の露出が始まり
燃料の損傷が始まって、原子炉建屋の線量レベルが高くなる。
(20120620 別紙2(主な時系列)pdf38枚目 頁36(1号機、津波後の大問題).pdf(popup))
下記pdf内の『 現場(原子炉建屋入口)の線量レベルが通常より高かったことから、17時50分、
一旦引き返した 』との情報は、上記算術の妥当性を裏付けるものであると同時に、
事象が進展中であることを裏付けるものでもある。
(20111202 (中間)本編 pdf100枚目 頁90(1号機 3月11日の状況).pdf(popup))
『 運転員が現場に向かったが、現場(原子炉建屋入口)の線量レベルが通常より高かったことから、
17時50分、一旦引き返した。 』
それにしても、16時40分の水位は通常水位マイナス184cmであり、IC(非常用復水器)が停止して
高温蒸気がSR弁から噴き出しているので冷却水が毎分4cmの速度で低下していることも明らかである。
そして、メルトダウンが目前に迫っていることも明らかである。
それなのに、ああそれなのに、それなのに、
(20120620 別紙2(主な時系列)pdf38枚目 頁36(1号機、津波後の大問題).pdf(popup))
1)『 (あえて省略:記載時刻が事象発生時刻なのか、報告時刻なのか曖昧なため) 』
2)『 中央制御室の運転員は、ホワイトボードや制御盤に記載するなどして原子炉水位を継続的に監視した。 』
3)『 発電所対策本部では、原子炉水位が確認できたことから、原災法第15条第1項に基づく特定事象(非常用炉心
冷却装置注水不能)発生の解除を判断、11日16:55、官庁等に通報。 』
4)『 中央制御室では、原子炉水位を継続的に監視していたが、11日17:07、再度原子炉水位が確認出来なくなった
ため、発電所対策本部は、原災法第15条第1項に基づく特定事象(非常用炉心冷却装置注水不能)が発生した
と判断、17:12官庁等に通報。 』
2)『 中央制御室の運転員は、ホワイトボードや制御盤に記載するなどして原子炉水位を継続的に監視した。 』
原子炉建屋2階の計装ラックへ行けば、電源無しでも原子炉圧力が確認できる。原子炉圧力が最高圧を示していれば
間違いなくICが停止していることの裏付けになる。
ICの2(A)弁と3(A)を手動で開けば、ICは機能し、原子炉の冷却が始まり、メルトダウンは避けられる。
上記を試してみる価値は充分にある。
それなのに、ああそれなのに、それなのに、
2)『 中央制御室の運転員は、ホワイトボードや制御盤に記載するなどして原子炉水位を継続的に監視した。 』
なぜ、『 監視 』するだけで、アクションを起こさないのか?
目下『 (非常用炉心冷却装置注水不能)発生 』状態で、メルトダウンへ真っしぐら中である。
よって、下記の判断は全く理解不能。
3)『 発電所対策本部では、原子炉水位が確認できたことから、原災法第15条第1項に基づく特定事象(非常用炉心
冷却装置注水不能)発生の解除を判断、11日16:55、官庁等に通報。 』原災法第15条-2報(FAX)
上記がなぜ『 原災法第15条第1項 の 解除 』なのか全く理解不能。
「原災法第15条第1項」は総理大臣による緊急事態宣言および住民避難に該当する特定事象であり、事は重大である。
上記 3)と 4)の間に極めて重大な見落としがある。
この見落としは、運転員の存在意義に関わる見落としである。
つまり、何のためにそこに要るのかという問いである。
ホワイボード 16時57分 水位不明(-150cm以下)
上記、ホワイトボードへの(-150cm以下)の記載について。
下記、広帯域水位計の下限は、なぜ -(マイナス)150cmまでなのか?
(20111220 1号機(兆候ベース) 10. 参考資料 pdf2枚目(広帯域水位計の下限は -150cm).pdf(pop))
それは、日常運転で原子炉水位が -150cm以下になることを想定していないからである。 それは、なぜか?
(20111220 1号機(事象ベース) 第12章 外部系統事故 pdf58枚目(原子炉水位 -148cmでHPCI自動起動).pdf(p))
原子炉水位が -148cmまで低下すると、HPCIが自動起動し、数分で原子炉の冷却水を満杯にするからである。
もし、HPCI自動起動しなかったら、直ちにICの手動作動あるいは代替注水のいずれかを実施しなければならないし、
直ちに下記の報告を行わなければならない。
(20111220 1号機(事象ベース) 第12章 外部系統事故 pdf65枚目(HPCIの機能喪失は、第15条緊急事態).pdf(p))
16時56分頃、原子炉水位が -148cmまで低下時にHPCIが自動あるいは手動で起動しなかった場合、
「第15条緊急事態報告」該当事象であるので、直ちに報告を行わなければならない。
その報告が行われていない(「緊急事態宣言&住民避難指示」該当事象の報告)。
運転員がそこに要るのは、自動的に起動すべき装置が起動するかどうか、その監視および
起動しなかった場合の対処のために、そこに要るのである。
4)『 中央制御室では、原子炉水位を継続的に監視していたが、11日17:07、再度原子炉水位が確認出来なくなった
ため、発電所対策本部は、原災法第15条第1項に基づく特定事象(非常用炉心冷却装置注水不能)が発生した
と判断、17:12官庁等に通報。 』原災法第15条-3報(FAX)
上記がなぜ『 原子炉水位が確認出来なくなったため 』なのか全く理解不能。
実際は、冷却水が分速4cmで低下中であり、
水位計の表示下限のマイナス150cmを振り切ったのであって
『 原子炉水位が確認出来なくなったため 』ではなく、『 水位が水位計の表示下限のマイナス150cm
を振り切って下降中を確認できた 』のであり、40分後には燃料が露出する緊急事態に直面しているのである。
しかるにFAX中の『 念のため 』とはいったい何ですか?。
「念のため緊急事態宣言」を発出し「念のため住民に避難指示」を出して欲しいと総理大臣に要請しているのが
原災法第15条-3報(FAX)である。原災法第15条を吉田所長が理解しているとは到底思えないと言わざるを得ない。
しかも、コロコロ変わる。菅総理大臣が現地視察したくなるのは当然である。所長が居るのかさえ疑問である。
この中途半端なFAXが「緊急事態宣言」および「避難指示」の遅れに繋がり、「避難指示」が夜間に出されることと
なり、ベントともかち合って混乱し、双葉病院の患者50人の災害関連死という悲劇に繋がったのである。
(20111202 (中間)別冊 pdf22枚目(18時18分、ICの弁を開にしたが:しばらくして蒸気の発生が停止).pdf(p))
『 』←後日、時間があれば書き出し
上記、18時18分に、ICの弁を開にしたものの、なぜ「しばらくして蒸気の発生が停止」したのか
について、時既に遅しだったのである。
原子炉の中に冷却水が有れば、それが燃料棒に熱せられて蒸気になり、その蒸気がICタンク内の熱交換器により冷やさ
れて蒸気が水に戻り、その水が原子炉に戻り、燃料棒を冷却することにより、メルトダウンを防いでいるのである。
上記の「しばらくして蒸気の発生が停止」の「蒸気」とは、ICタンク内の熱交換器により熱せられた「ICタンク内の水
が蒸気になって」原子炉建屋外に吹き出す「蒸気」のことである。つまり、この「蒸気」が出続けている場合は、原子
炉が冷却され続けていることを意味する。
では、なぜ、「しばらくして蒸気の発生が停止」したのか。もはや、原子炉内とICタンク内の熱交換器
を循環すべき、冷却水そのものが水位低下し、燃料棒が全露出状態になっていたため、連続的に蒸気を
発生し続けることができなくなっていたためと考えられる。
前記「毎分4cmの速度で冷却水が低下している」のその後の結果であり、また証明でもある。
前記で「17時45分頃には燃料の露出が始まる」と予想した。その後については、燃料棒等の構築物があるので冷却水の
低下速度が5倍程度の毎分20cmと仮定すると1号機燃料棒有効長は約3.66mであるので算術上は、18時4分頃には燃料棒
が全露出することになる。つまり、算術と事象がほぼ一致しているのである。
つまり、18時18分には「燃料棒が全露出」し燃料損傷が進行中だったのである。
1号機のその後について、出力は違うものの、下記2号機の予想になぞらえて、予想すると、
(20120914 2011年3月11日?時?分(FAX送付は21時45分)(原災法第15条-6報(FAX)).pdf(popup))
『 2号機のTAF到達予想は、21時40分頃と評価しました。 』
炉心損傷開始:22時20分頃 』 ←TAF到達から40分後
RPV破損 :23時50分頃 』 ←炉心損傷開始から1時間30分後
1号機は評価中 』←1号機は既にメルトスルーしている?
1号機の炉心損傷(メルトダウン)開始:TAF到達17時45分から40分後の、18時25分頃
1号機のRPV破損(メルトスルー):上記炉心損傷開始から1時間30分後の、19時55分頃
以上が当サイトの予想である。
10)当直長日誌が酷い
これは本報告書作成者の作文であって当直長が書いたものではない(当直長の人権のために)
ICについては、意図的に省いているものと考えられる。
(20110516 4. 運転日誌等 1・2号機 pdf6枚目〜pdf7枚目(当直長引継日誌).pdf(popup))
引継は、21時00分:つまり21時00分までに起きた出来事が網羅されていなければならない。
しかるに、下記重要事項のいずれもが書かれていないし、原災法に基づく報告も行われていない。
1)14時52分:非常用復水器(IC)が自動起動し、原子炉の冷却を始めたこと。
2)15時03分:ICを手動で止めたこと。
3)15時37分頃:ICにより最高圧近辺で圧力制御中に津波が襲来し冷却状況が不明になったこと。
この頃、「直流電源喪失(全喪失)」←緊急事態報告対象が発生。
この頃、「中央制御室等使用不能」←緊急事態報告対象が発生。
4)16時40分:一時的な水位計の回復によれば、原子炉水位は通常マイナス184cm。
その後、原子炉水位は毎分4cmで低下継続。
5)16時56分頃:原子炉水位が広帯域水位計で -148cmになるも「HPCI自動起動せず」←緊急事態報告対象が発生。
6)16時57分:広帯域水位計の下限の-150cmを振り切って水位が低下中。
17時45分頃には、燃料が露出する見込み。
7)18時18分:ICの3A弁および2A弁の開操作を実施。
しばらくして蒸気の発生が停止。
8)18時25分:ICの3A弁の閉操作を実施。
11)原災法第15条報告が遅れた結果、避難が遅れ、
ベントと避難がガチンコ
前述したが、前日15時42分に「直流電源喪失(全喪失)(プラントの制御は直流で行なっているのでプラント制御不
可)」および「中央制御室等使用不能」の原災法第15条報告がFAXされていれば、数時間後にメルトダウンが発生し、
そしてベントが必要になることが容易に予想できる。前日16時頃に「原子力緊急事態宣言」および「住民への避難指
示」が出されていれば、下記pdfの23時50分頃にはベント対応の避難は終了しており、直ちにベントが可能であった
筈である。
その他、前日17時頃には冷却水が毎分4cm 継続低下しており、「停止時原子炉水位異常低下」「炉心溶融」等の
原災法第15条対象事象が充分視野に入っていた筈であり、避難がもっと早く終了していた筈である。
下記、1号機においては、外部からの注水が一切行われていない。
しかるに、D/W 圧力が 600kPa[abs] にもなっているということは、
既にメルトスルーが発生し、水素ガスが多量に発生している証拠である。
(20120620 別紙2(主な時系列)pdf56枚目( 11 日 23:50頃、D/W 圧力が 600kPa[abs]).pdf(popup))
『 11 日 23:50頃、中央制御室の照明仮復旧用に設置した小型発電機交流電源を D/W 圧力計に繋いだところ、
指示値が 600kPa[abs] であることを確認。』←既に最高使用圧力の 528.3kPa[abs] を超えている。
1号機最高使用圧力は 427kPa[gage] = 528.3kPa[abs] (528.3kPa[abs] = 427kPa[gage] + 101.3kPa(=1気圧))
格納容器の圧力が最高使用圧力を超えているので、直ちにベントを実施しないと水素ガスが原子炉建屋内へ漏れ
出し、原子炉建屋が水素爆発を起こす危険性がある。
ベントに一刻の猶予もない。直ちにである。
注。1号機の格納容器は、過去の検査において、機密性が低く、下限ギリギリで検査を通過している札付き格納容器。
(20120620 別紙2(主な時系列)pdf35枚目〜37枚目(1号機:ベントと避難がガチンコ).pdf(p))
『 0:49 原災法第15条報告(格納容器圧力異常上昇)』
『 1:30頃 1号機および2号機のベントの実施について、内閣総理大臣、経済産業
大臣、原子力安全・保安院に申し入れ、了解を得る。 』
『 2:30 D/W圧力が 840kPa[abs] に到達。』 ←最高使用圧力の 528.3kPa[abs] を大きく超過、爆発の危険。
『 3:06 べント実施に関するプレス会見実施。』
『 5:44 半径 10km 圏内の住民に避難指示。』 ←前日16時に避難指示が出ていれば、 既に避難済の筈である。
『 6:33 地域の避難状況として、大熊町から都路方面へ移動を検討中であることを確認。』
『 8:03 ベント操作を 9 時目標で行うよう発電所長指示。』
著しい遅れが発生している。格納容器から水素も漏れ出し、原子炉建屋内に水素も溜まる。
『 8:27 大熊町の一部が避難できていないとの情報を確認。』
『 9:02 大熊町(熊地区の一部)の避難できていることを確認。』
『 9:04 ベントの操作を行うため運転員が現場へ出発。』
『 9:32 圧力抑制室のベント弁小弁の現場操作を試みるが、高い放射線量のため断念。』
ベント操作が遅れる → D/Wの圧力が高くなる → D/W爆発の危険性が高まる
ベント操作が遅れる → 原子炉建屋内に水素も溜まる → 原子炉建屋の水素爆発の危険性は高まる
ベント操作が遅れる → 放射線量が高くなる → ベント操作が遅れる → 放射線量が高くなる(もはや悪循環)
ベント操作が遅れる → D/Wの圧力が高いと圧力容器の圧力も高いので代替注水が出来ない → デブリの熱で格納容器
が損壊する(汚染水タンク増加問題は格納容器が損壊しなければ発生しなかった)
『 14:30 D/W圧力が低下していることを確認し、ベントによる「放射性物質の放出」と判断、』
『 15:36 原子炉建屋で爆発発生。』 ←水素爆発
(20111220 3号機(兆候ベース) 序文 pdf5枚目(D/Wベントは先決事項).pdf(popup))
『 a. 緊急時対策本部(TSC)の判断の「範囲」
EOPでの操作範囲の内、下記の操作は「外部に対してのインパクトが大きい」ので操作前に緊急時対策本部
に連絡することとする。
但し、連絡が取れない場合、又は事象の進展によりやむを得ない場合はこの限りでない。
(a) D/Wベント操作
炉心が健全でD/W圧力が 384kPa 以下に維持できない場合のD/Wベント(既設)操作の実施。』
上記 384kPa[gage] + 101.3kPa = 485.3kPa[abs] は運用上の最高圧力である。
前記 『 2:30 D/W圧力が 840kPa[abs] に到達。』はとんでもない値である。
さて、当時『 炉心が健全 』ではないと認識していたかどうかは別途議論することとして、
『 D/Wベント操作 』に関して、
『 但し、連絡が取れない場合、又は事象の進展によりやむを得ない場合はこの限りでない。』となっていることの
意味についてである。なぜ、当直長にこれだけの権限が与えられているかについてである。
それは、
下記のようなことをしている間に、格納容器が爆発してしまったら元も子もないからである。
『 1:30頃 1号機および2号機のベントの実施について、内閣総理大臣、経済産業
大臣、原子力安全・保安院に申し入れ、了解を得る。 』
(『 2:30 D/W圧力が 840kPa[abs] に到達。』 ←最高使用圧力の 528.3kPa[abs] を大きく超過、爆発の危険。)
『 3:06 べント実施に関するプレス会見実施。』
上記の手続きの省略を担保するものはいったい何か、
それが、原災法第15条報告である。
「原災法第15条」は「避難勧告」または「避難指示」込みなのである。
ベント発生につながる事象が発生した時に、原災法第15条報告を行なって、住民の避難を促
し、ベントが必要な圧力に達した時には、住民の避難が終了しており、何時でもベントが行
える。そのための原災法第15条報告であり、その報告は極めて重要なのである。
決して「念のために」などといった軽いものではない。「念のために報告」したり「解除」したり「念のため再報告」
したりするものでは決してない。その度に振り回された地方自治体のことを思え。釈明なしに、再発防止策無しに
新潟県での再稼働は考えられない。当サイトは温暖化防止のために緊急避難的に再稼働は必要だと考えている。
但し、再事故により日本が滅亡してしまったら元も子もない。だから、このようなことを書いているのである。
12)ベントはなぜ遅れたのか? 泥縄!
20120620 別紙2(主な時系列)pdf55枚目(ベント:協力企業への問い合わせ).pdf(popup)
『 ベント操作に必要な圧力抑制室ベント弁が、手動操作可能な型式・構造であるか確認するために、関連する図面
の調査や、協力企業への問い合わせを実施。 』
下記が訓練されていれば、手動ハンドルで操作可能なことを運転員が当然のこととして知っていなければならない。
(20111220 1号機(兆候ベース) 4. 格納容器制御 pdf16枚目(SGTSベント手順:手動ハンドルで行う) .pdf(p))
『(補5)圧力抑制室ベントバイパス弁
[AO-1601-90]の「開」操作は、現場の手動ハンドルにより徐々に行う。
CS操作により「開」にすると、SGTS及びパージファンラインの耐圧が低いため破損し、建屋内がPCV内ガス
にて汚染する可能性がある。 』
注。圧力抑制室ベントバイパス弁[AO-1601-90]は、耐圧ベントで使用する小弁と同一番号である。
下記にそれを示す。
(20111220 1号機(兆候ベース) 4. 格納容器制御 pdf14枚目(耐圧ベント手順 図面参照番号が無い).pdf(pop)
注。耐圧ベント手順の圧力抑制室小弁(ベントバイパス弁)は[AO-1601-90]である。
上記pdfに、耐圧ベント手順はあるが、図面参照番号がない。
下記pdfに、格納容器ベントライン図はあるが、耐圧ベントラインが書き込まれていない。
(20111220 1号機(兆候ベース) 10. 参考資料 pdf17枚目(格納容器ベントライン:耐圧ベントラインが図面に無い).pdf(p))
注。圧力抑制室小弁(ベントバイパス弁)[AO-1601-90]は、単に 90 と表記されている。
上記1号機の格納容器ベントライン図には、アクシデントマネジメント対策で追加された耐圧ベントラインが書き
込まれていない。これは、耐圧ベントラインを使用したベントの訓練はおろか説明さえも行われていなかったこと
を意味している。訓練が行われていれば、このような耐圧ベントライン無しの図面が残っていることはあり得ない。
なお、下記3号機の格納容器ベントライン図には、耐圧ベントラインが書き込まれている(MO弁271のライン)。
(20111220 3号機(兆候ベース) 10. 参考資料 pdf21枚目(耐圧ベントライン:書き込まれている).pdf(popup))
ちなみに、下記2号機の格納容器ベントライン図には、耐圧ベントラインが書き込まれているがこの図はいったい
何なのか。205と206のどちらがメインでどちらがバイパスかさえも分からない。
(20111220 2号機(兆候ベース) 10. 参考資料 pdf20枚目(格納容器ベントライン:この図は何なの?).pdf(popup))
上記2号機の格納容器ベントライン図には、アクシデントマネジメント対策で追加された耐圧ベントラインが
追加されて書き込まれてはいるが(H.11(1999)-7-1:AM対策)(MO弁271のライン)、そもそもこの図は
いったい何なのか。多分、元々の当初からの図面が205弁の配管が途中で切れているいい加減な図面であり、
長年そのまま放置されていた。その図面に追加された耐圧ベントラインを1999年に書き込んだが、配管が途
中で切れている部分は面倒なので修正せずに、そのまま放置した。まったくいい加減で杜撰である。
なお、問題なのは、手順書がいい加減ということばかりではない。ベントの訓練が行われていれば、このよう
な図面がそのまま残っていることはあり得ず、ベントの訓練が行われていなかったことが大問題なのである。
いったい205弁の先はどこに接続されているのか?
(20111220 1号機(シビアアクシデント) 2. pdf43枚目〜44枚目(S/Cベント手順).pdf(popup))
上記pdfの中では、格納容器のベント操作に関する圧力単位は「kPa」で指示されている。
ところが、AM制御盤の圧力メータの単位は「kg/cm2」になっている。下記pdf参照。
このことは、この手順書を使用したベント訓練がたったの1回も行われていなかったことを意味している。
もし訓練が行われていれば、間違いに気付き、圧力の単位が「kPa」に修正されていたはずである。
(20111220 1号機(シビアアクシデント) 4. 参考資料 pdf1枚目(AM制御盤 圧力の単位がMKS単位).pdf(p))
上記は、下記の改訂漏れ。
(20111220 1号機(シビアアクシデント) 改訂履歴 pdf3枚目(2009-1-10 SI単位化に伴うMKS単位完全削除).pdf(p))
※ それにしても、耐圧ベントラインが図面に書かれていなかったり、単位が違っていたり、手順書が余りにも
酷すぎる。
このことは、手順書を使用した訓練が一度たりとも行われていなかったことを意味している。
基本さえ全く出来ていないのに、応用などは夢のまた夢。日本は滅亡しますよ。
下記については、そうゆう背景ですよ、国会事故調殿。
(20120705 国会事故調 本編 pdf312枚目(菅総理「なぜベントが実施できていない」).pdf(popup))
『 菅総理は、福島第一原発において「なぜベントが実施できていない」などと相当に厳しい様子を見せていた』
下記については、そうゆう背景ですよ、菅直人さん。
(20120528 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会会議録 第十六号(参考人:菅直人).html(popup))
『 参考人(菅直人君)
特に、ベントに関しては、既に経産大臣の方から東電がベントをしたいということに対して了解すると言って
いるにもかかわらず、何時間たってもそれが行われない。私からも東電から派遣されていた方になぜ進まない
んですかとお聞きしました。そうしたら、分からないと言われるんですね。分からないと言われるのは本当に
困りました。それが技術的な理由なのか、何かほかに理由があるのか分かればまだそれに対して判断ができま
すが、そういった状況もありましたので、私としては、福島のF一、第一サイトに、その責任者と話をするこ
とによって状況が把握できるのではないか、そう考えまして、その地震、津波の視察と併せて福島第一サイト
に視察に行くことを決めたわけであります。
○泰井正史君 福島の第一で当時の吉田所長と会われまして、その結果、その行かれた先ほどの目的とその他
についての関係では、どのような成果というか結論を得られたんでしょうか。
○参考人(菅直人君) 免震重要棟に入りまして、二階の部屋に入りました。そこで吉田所長と、たしか武藤
副社長が同席をされて、こちらも何人か同席をしておりました。その中で、炉の図面などを広げて、今の状況
の概略の説明がありました。その上で、私の方から、ベントについて我々としてはもう了解しているので、
ベントを行わないと圧力が上がって格納容器が破壊される、そういう危険があると聞いているので何とか早く
ベントをやってほしいと言いましたら、分かりましたと、決死隊をつくってでもやりますと、そういう返事を
いただきました。』
それぞれの立場の人が、それぞれの役割を、粛々と果たしていれば「決死隊」などという文学的な
文言が出てくる理由がない。
13)「東電の報告書」は、「文学作品」であって
「科学的報告書」ではない
(20110618 福島第一原子力発電所 被災直後の対応状況について.pdf(popup))
『 ・ 地震の揺れの収まるのを待って、運転員は通常のスクラム対応操作を開始。当直長
は、スクラムしたことを確認し、1号機と2号機のパネルの中間で指揮をとる。各
制御盤前にオペレータを配置、主任の指示に従い、状態監視と操作を実施。主任は、
プラント状態、操作状況を当直長へ報告。
・ 14:52、1号機の非常用復水器 (以下、「IC」) について、自動起動したことを確認。
原子炉水位が通常水位であることから、高圧注水系 (以下、「HPCI」) は原子炉
水位が低下してきた際に起動することとし、ICでの原子炉圧力制御を行うことと
した。 』
上記、『 当直長は、スクラムしたことを確認し、1号機と2号機のパネルの中間で指揮をとる。』との
もっともらしい文言はいったいなんですか?
1号機と2号機の両方の楽譜(手順書)を交互に見ながらの楽団員(運転員)の指揮ですか?
それとも、これまた、暗譜ですか? これまたカラヤンですか?
手順書は「通常のスクラム対応」ですか? それとも「大規模地震発生 外部電源喪失」ですか?
もし、運転員が勝手に手順書間違いの操作を開始したのであれば、当直長はそれを正さなければならない。
「運転員」と「オペレータ」の違いはなんですか? そのようなもっともらしい職種が本当にあるのですか?
もっともらしい「ICでの原子炉圧力制御」は「大規模地震発生 外部電源喪失」の手順書の中には出て来ません。
当直長が「いったい何をやっているのだ」と言って、力尽くでやめさせなければなりません。まるで逆噴射ですから。
手順書に従えば、1号機は当直長が、2号機は当直副長が、操作指示を行うといったところが、妥当なところ
でしょう。粛々と。
(20120620 別紙2(主な時系列)pdf5枚目(パラメータも問題なしという報告を受け、当直長は「このまま).pdf(p)
『 ・ パラメータも問題なしという報告を受け、当直長は「このまま収束(冷温停止)に持って行ける」と感じて
いた。 』←「感じていた」のでは困ります。さっさと指示しなさい。
実のところ、何が事実か分からない。なにせ東電の報告書の目指すところは、
報告書全体のトーンを「吉田神話的お涙頂戴的浪花節的情報操作的文学的報告書」にすることで
あって、「科学的報告書」からは出来るだけ遠ざけ、尻尾を掴まれぬように煙に巻くことである。
であるからして、東電ビデオ会議のテレビ局への初公開は吉田神話的センセーショナルなものと
し、報告書を吉田神話的色眼鏡で見るように企(たくら)んだのである。そして、現場の苦労を
クローズアップし、同情を誘い、東電への批判を押さえ込むと同時に、マスコミあるいは科学ジャ
ーナリストによる真相事実追及への芽をも摘み取ったのである。
そうは、いくもんか!
とは書いたものの、
東電の報告書は嘘だらけなので、嘘を書き出し始めたら切りが無い。
切りが無いのでこの辺で。