20120705 国会事故調 報告書(index).html(popup)
20120705 国会事故調 ダイジェスト版 .pdf(popup)
20120705 国会事故調 要約版 .pdf(popup)
20120705 国会事故調 要約版 pdf26枚目(
地震で外部電源喪失).pdf(p)
20120705 国会事故調 本編 .pdf(popup)
20120705 国会事故調 本編 pdf15枚目(
本事故の直接的原因は、、津波という自然現象であるが、 ).pdf(p)
20120705 国会事故調 本編 pdf16〜pdf17枚目(
事故の進展を止められなかった、、最大の原因は「官邸及び).pdf(p)
20120705 国会事故調 本編 pdf210枚目(
1号機の IC 弁操作盤).pdf(p)
20120705 国会事故調 本編 pdf210枚目(
1号機の IC 弁操作盤(部分)).pdf(p)
20120705 国会事故調 本編 pdf231枚目〜238枚目(
運転員はなぜ非常用復水器(IC)を手動停止したか).pdf(p)
『 2)非常用復水器(IC)問題
1号機の運転員らは原子炉圧力の急速な降下を見て、「配管漏えい」がないかどうかを確認するために、また降下しす
ぎた圧力を手中に収めるべく、ICを手動停止した。』← 国会事故調229p
上記の原子炉圧力の降下は「配管漏えい」が疑われるような急速なものだったのかどうか?
試算してみることとした。
ICが自動起動したのは14時52分でありその時の原子炉圧力は 約7MPa(国会事故調234p)である。
なお、7MPa を温度に換算すると約285℃である。
ICを手動停止したのは15時03分でありその時の原子炉圧力は 約4.5MPa(国会事故調234p)である。
なお、4.5MPa を温度に換算すると約260℃である。
さて、14時52分から15時03分までの11分間に、285℃から260℃まで温度を下げる能力を IC が持っているかどうか
について試算してみることとした。
(20120914 2011年3月13日?時?分(原災法第15条-27報(FAX)2枚目).pdf(popup))
『 1号原子炉圧力容器の容量は約120トンであり、 』
(20111220 別添4:1号機(原子炉設置許可申請書 IC非常用復水器) pdf53枚目〜55枚目 .pdf(popup))
『 蒸気流量:100.6 t/h 』
14時52分から15時03分までの11分間、ICが2基稼働しているので、
この11分間に、(100.6t/60分)x 2基 x 11分 = 約37tが流入する。
この37tの冷却水温度が何℃まで下がっていれば、4.5MPaに相当する260℃まで下がるかを計算すると、
(120t-37t) x 285℃ + (37t x X℃) = 120t x 260℃
X℃ = 204℃
つまり、流入する37tが204℃以下になっていれば、4.5MPaに相当する260℃まで下がる。
但し、上記はこの11分間に残留崩壊熱による温度上昇分が無かったと仮定した場合である。
次に、この11分間の残留崩壊熱による温度上昇分を試算する。
15:03(IC停止時) 4.5MPa 260℃
15:17(IC再起動時) 7MPa 285℃
上記から、残留崩壊熱は15:03から15:17までの14分間で120tを25℃上昇させる熱量である。
この崩壊熱を、14:52から15:03までの11分間に換算すると、(11/14)x 25℃ = 約20℃ である。
37tの流入により残留崩壊熱上昇分の20℃を下げるとすると、
(120t-37t) x 285℃ + (37t x Y℃) = 120t x (285℃-20℃)
Y℃ = 220℃ 120tを20℃下げるためには37tが220℃であることが必要であり、
その温度差は、285℃ - 220℃ = 65℃ である。
よって、
37tの流入温度が、204℃ - 65℃ = 139℃以下ならば、4.5MPaに下がっても不思議はない。
検算(120t-37t) x 285℃ + (37t x 139℃)= 120t x Z℃
Z℃ = 240℃
上記が、冷却分のみの温度
残留崩壊熱上昇分が20℃あるので、これを足すと260℃の4.5MPa相当になる。
つまり、
285℃ の高圧蒸気が IC タンク内の冷却水 により、139℃ 以下まで冷やされて流入すれば、
11分間で、原子炉圧力が約7MPaから約4.5MPaまで低下したとしても別に不思議ではない。
(20120620 添付資料 pdf136枚目(1号機:原子炉再循環(PLR)ポンプ入り口温度).pdf(popup))
『 ICからの戻り水は目分量で125℃ 』
(20120723 政府事故調(最終報告)資料2-1-1 pdf242枚目(1号機 IC戻り水温度).pdf(pop))
『 ICからの戻り水は目分量で125℃ 』
つまり、
原子炉圧力の降下は「配管漏えい」が疑われるような急速なものとの説明には無理がある。
『 東電が主張している冷却材温度変化率「55℃/h以下」の順守が手動停止の直接の動機ではない。』←229p
(20111220 1号機 事故時運転操作手順書(事象ベース) 第22章 自然災害事故 大規模地震、津波(目次).pdf(p))
(20111220 第22章 大規模地震発生(E)外部電源喪失の場合 頁22-1E-11(減圧指示).pdf(p))
『 目標値 原子炉圧力 4.12MPa 以下 』
『 原子炉冷却材温度効果率 55℃/h 以下 』
(20111220 第22章 大規模地震発生(E)外部電源喪失の場合 頁22-1E-15(冷温停止).pdf(p))
『 4. 原子炉冷温停止 3. 原子炉水温度「157°C以下」を確認し、SHCポンプA「手動起動」実施、報告 』
『 手動停止は3人の運転員の妥当な判断と連携のもとに行われている。』←229p
『 一方、地震動によってIC系配管に小規模冷却材喪失事故につながるような微小破損が生じなかったかどうかに関し
ては、現場での仔細な検査ができない現状では、断定的に何も言うことはできない。』←229p
『 以下に詳しく記す。』←229p
『 a. 運転員はなぜ非常用復水器(IC)を手動停止したか
『 ① ICの役割と動作原理
(略)
図2.2.4ー1 1号機 ICの系統の概略 』
『 ② 15時03分、「問題の」IC手動停止
「図2.2.4ー2 1号機の炉圧の変化」は、地震によりスクラムする少し前から、およそ50分後の全交流電源喪失(S
BO)までの原子炉圧力のペンレコーダ記録である。この記録を概観すると……地震発生直前の1号機の運転中の原子
炉圧力は約6.8MPaだったが、地震により原子炉が自動的にスクラムし(①)、それにより原子炉内の冷却材の気泡
(ボイド)が潰れ、炉圧が低下しているが、MSIVが閉止したため炉圧が上昇しはじめた(②)。そして炉圧が規定値
7.13MPaに達したため、14時52分、ICが自動起動し(③)、そのため炉圧が降下しはじめた。しかしその約11分後の
15時03分、降下していた炉圧が突然V字回復している(④)。東電はその理由を、運転員がICの3A弁と3B弁を中央操
作室(中央制御室)から手動操作で閉じてICを停止させたためであるとしている。前述したように、特にスクラム直
後は大きな崩壊熱により蒸気が大量に発生しているので、ICが停止すれば原子炉圧力は当然急上昇に転じる。したが
って、④はICを手動停止したため、とする東電の説明それ自体に特に問題はない。問題は、自動起動したICがなぜ11
分後に手動停止されたかである。
14時52分から15時03分までのわずか11分間のIC作動で、炉圧は約6.8MPaから一気に約4.5MPaまで落ちている。
果たしてこれは正常な圧力降下なのか。IC系配管または他の配管が、長く激しい地震動によって破損し、その破損箇
所から冷却材が漏れ出すようなトラブルが起きていないか。ーーこれは、1号機の事故の推移を論じるとき、無視する
ことのできない重要な疑問であり、疑念である。事実、政府事故調は、中間報告書でかなりのページをこの問題の検
証に割いている。 』
『 ③ 冷却材温度変化率「55℃/h以下」を順守した、は不合理
このIC手動停止操作に関して、東電は今日まで、自社のホームページをはじめ、記者会見、各種報告書など、あら
ゆる場、あらゆる機会を通じ、ICが手動停止されたのは、原子炉冷却材の1時間当たりの温度変化率は55℃/h以下で
なければならないという東電の運転規則を運転員が順守したためであると、強く主張してきた。実際、東電が12月2日
に公表した事故調査報告書には以下のように書かれている。
非常用復水器の操作については、手順書で原子炉圧力容器への影響緩和の観点から原子炉冷却材温度変
化率が55℃/hを超えないよう調整することとしている。実際、非常用復水器の作動時に急激に温度が低下
した後、停止操作を行っており、その操作は手順書に則って行われている。
政府事故調も、東電の主張を以下のようにそのまま受け入れている。
「福島第一原子力発電所原子炉施設保安規定」第37条第1項、表37-1によれば、原子炉冷却材温度変化
率は55℃/h以下と定められ、これを運転上の制限としているところ、3月11日15時3分頃、当直は、1号機
の原子炉圧力の低下が速く、このままICの二つの系統を使って冷却すれば、同保安規定で定める原子炉冷
却材温度変化率を超えて原子炉冷却材温度が降下し、同保安規定を遵守できないと考えた。そこで、当直
は、通常の操作手順に従い、作動中だったICの2系統(A系、B系)の戻り配管隔離弁(MO-3A、3B)のみ
を閉操作して、いずれのICも手動で停止した。
要するに、東電も政府事故調も、運転員は運転手順書や東電保安規定に記されている「冷却材温度変化率は55℃/h
以下」という規則を守れないと判断してICを手動停止した、と説明しているが、以下の事実から、こうした説明が不
合理であることは明白である。いまもなお不合理な説明に不自然なまでに執着している東電の姿勢は、ICに何かトラ
ブルが起きたのではないか、IC系配管は破損したのではないか、といった疑念を生み出すもとになっていると言って
も過言ではない。
そもそもICがなぜ自動起動したのかといえば、MSIVが突然閉止して炉圧が上昇したので、その圧力を抑制するため
であった。そしてもちろん、ICが自動起動するようにセットしていたのはほかならぬ東電自身である。したがって東
電は ICがA系、B系2系統同時に自動起動すれば、原子炉圧力や冷却材温度がどのように変化するかをーー言い換え
ればICの運転性能をーー十分知った上で、ICの自動起動をセットしていたはずである。
にもかかわらず、冷却材の温度変化率を55℃/h以下に抑えられないのでICを手動停止したとするなら、1号機の IC
は冷却能力が高すぎて実際にはうまく使うことができない欠陥装置であったか、IC系配管が破損したために55℃/h以
下の制限が守れなくなったかの、いずれかである。 』← 国会事故調234p
IC には下記に示すように流量調節機能があり、減圧操作には55℃/h 以下の制限がある。
(20111024(別添1)1号機 事故時運転操作手順書(事象ベース)pdf106枚目〜pdf108枚目.pdf(popup))
『 5. 原子炉減圧操作 』『 5. 原子炉減圧指示 』『 7. IC 又は SRV により、原子炉「減圧」実施、報告
(1)原子炉冷却率を確認し、調整する。
a. IC の台数調整
b. IC の出口弁(MO-1301-3A/3B)の開度調整
(2)SRV(略)
(3)原子炉水冷却率を確認し、間欠で行う
原子炉冷却材温度変化率 55℃/h 以下 』
----------
『 7. IC 停止 』『 7. IC 停止 』『 10. 原子炉圧力 1.04MPa 以下となったら、IC を「手動停止」実施、報告 』
----------
『 9. 原子炉冷温停止 』『 9. SHC 投入指示 』『 14. 原子炉水温度「176℃以下」を確認し、SHC「インサー
ビス 」実施、報告 』
IC 自動起動の設定として、2台同時に起動したので、55℃/h 以下を守れなくなった。
自動起動不具合時の安全性を見込んで、2台起動の設定としたと思われるが、開度50%で
2台同時起動か、起動圧力をずらしておけば、慌てなくて済む。
『 55℃/h以下の制限を順守するために(ICを)止めた、という東電の主張は、明らかに自家撞着に陥っている。ICが
なぜ手動停止されたのかに関して、もっと合理的で説得力のある理由が見出されねばならない。 』← 国事調234p
『 付言すれば、時々刻々の冷却材温度変化率が中央制御室の操作盤に文字またはグラフで直接表示されるようになっ
ているわけではない。運転員が、ある時間内の冷却材温度変化率を知りたければ、その時間内の原子炉圧力の変化か
ら計算でそれを求めなければならないが、ICが自動起動したあと、運転員がそのような計算をしていないことは一連
の聞き取り調査で明らかになっている。 』← 国会事故調234p
運転員がどのような話をしたのか定かでないが、プラントには下記の機能が備わっている。
(20120620 添付資料 pdf556枚目(東電用語集:アラームタイパ).pdf(popup))
『 プロセス計算機から出力されるデータの一種で、異常事象の発生時刻等の記録、プラントシステムの対応動作
の記録等が示される。』
下例、いちいち計算しなくても、55℃/hをオーバーすればアラームが出る(ようになっていると思われる)。
(20110516 (アラームタイパ)3号機 pdf18枚目(温度変化率「55℃/hオーバーアラーム」).pdf(pop))
下から8行目
『 1457 C162 再循環ループ水 A 温度変化率 (T/C) 59.7 > 55.0 C/H 』
上記は3号機の実例であるが、そのとき1号機のアラームタイパはどうだったのか?
(20110516 (アラームタイパ)1号機 pdf1枚目〜11枚目.pdf(popup))
『 1452 B526 ISO-CON VLV B OPN ON 』 14時52分 非常用復水器 B 系 自動起動
『 1452 B525 ISO-CON VLV A OPN ON 』 14時52分 非常用復水器 A 系 自動起動
14時53分以降はグチャグチャで分からない。重要な機器は二重化されていると思うが、東電はグチャグチャのアラ
ームタイパしか公表していない。また、メモリからの復元が出来ないとのことであるが、俄かに信じがたい。これ
では運転操作の妥当性の検証が後から出来ない欠陥システムではないか? 用紙交換時は? インク交換時は?
(20111226 政府事故調(中間)第4章資料 pdf4枚目(1/2号中央制御室のレイアウト:タイパーが3台?).pdf(p))
1プラントにアラームタイパが1台しかないとは考えにくく、実際は3台有るのではないか?
(20131213 東電 未解明問題 pdf224枚目(IC、、10分程度で、約20℃低下(2倍以上の冷却速度)).pdf(p))
『 IC(A)、IC(B)の自動起動後は、IC の冷却効果により原子炉圧力は減少に転じ、10 分程度で 5MPa を下回る
圧力にまで達している。また、通常運転時の約 7MPaにおける飽和温度は約 285℃、約 5MPa における飽和
温度は約 265℃であることから原子炉の冷却剤の温度は 10 分程度で、約 20℃ 低下したことになる。
原子炉停止時の冷却速度の上限値は 1 時間で 55℃ であり、この冷却速度を上回っている。』
10 分程度で、約 20℃ 低下とのことであるので、時間に換算すると120℃/hの温度変化率である。
つまり、制限時速55K/hの急カーブに時速120K/hで突っ込んだのと同じである。
2倍以上の急激な温度変化により、細かなひび割れが発生していてもおかしくない?
圧力を上げたら爆発するかも知れない? 圧力を上げたりしたらいかんでしょうに!
『 ④ 運転員は配管漏えいが起きていないかを確認するために(ICを)手動停止した
当委員会は、1号機の運転操作に実際に関わった複数の運転員の聞き取り調査を何回かに分けて行った。以下はICの
操作に関する、ある運転員の発言の要約である。
経験したことがないほどの激しい地震の揺れに、1号機の中央制御室にいた運転員は身の安全を確保するため床に
伏した。揺れている時間が非常に長かったので、運転員は床に伏したまま下から操作盤を見上げるようにしながら、
点灯・点滅するさまざまなランプを互いに指をさしながら確認した。そういう中でICのA、B、2系統が自動起動した
ことも確認した。その後もいろいろ運転対応に追われる中、原子炉圧力が約7MPaから約4.5MPaまで大きく降下し
たという報告を他の運転員から受けた。炉圧を手中に収めたかったのでICを止めた。炉圧が回復した後は、MSIV閉
に対する手順書にあるように、手動でICを操作(起動・停止)しながら、原子炉圧力を6〜7MPaぐらいの間にキープ
した。B系を止めたまま、A系だけを操作した。そのときは、あとは手順書どおり冷温停止までもっていける自信が
あった。運転操作は手順書に従ったが、運転員はいちいち手順書を目の前に広げながら運転するわけではない。手順
はBWRの運転訓練センターでシミュレーション訓練を受けているので体得している。ただし、1号機のシミュレータ
ーはないので、ICのシミュレーション訓練は受けていない。55℃/h制限のことはすべての運転員が熟知している。
圧力を変化させれば当然温度も変化するので、運転員はいつもできるだけ温度的にソフトな運転をしようとは思って
いる。しかし、温度変化率のためにICを止めたということではない。
圧力を手中に収める ためであった。』
運転は「体得」ではなく、「頭」でするものである。
巨大地震直後で、いつまた同等の余震が襲ってくるかも知れず、外部電源は喪失中で、非常用ディーゼル発電機が自動
起動しているものの2台共に海水による水冷式であり大津波警報通りの10mの津波が来ればACが全喪失することは確実
である。
なぜ炉圧をわざわざ危険な高圧に回復させる必要があるのか? なぜ6〜7MPaもの高圧をキープする必要があるのか?
危険運転以外のなにものでもない。手順書を開かないからこのような言い訳をしなければならないことになる。
(20111220 手順書 序文 pdf7枚目(手順書の使用方法:ステップ毎に「レ」点チェックを書込む).pdf(p))
可及的(55℃/h)速やかに、減圧すべきではないのか?
(20111225(飽和蒸気圧:代替注水が可能な圧力に下げるまでの時間見積もり).html(popup))
『 また以下は、別の日に行った聞き取り調査における1号機運転員の、
IC手動停止に関わる決定的に重要な発言 を、
ほぼそのまま記したものである。ただし、かっこ内は当委員会による注である。』
『 イソコン(ICのこと)が動作しているという情報を(他の運転員から)受けたが、私は、「炉圧が下がっているの
で漏えいがないかを確認したい。炉圧の下がりが速く、このままだと圧力容器の健全性が保てない。一度止めて他に
漏えいがないかも確認したいので、そういう操作を行ってもよいか」と当直長に確認した。炉圧が下がっているの
で、このままでは温度変化率もまずいし、本当にイソコンだけで炉圧が下がっているかどうかも分からない。イソコ
ンを止めて炉圧が回復すればイソコン以外にも漏えいがないことになる。それを確認したい、だからイソコンを止め
たいが、止めていいかを当直長に尋ねたら、許可が出たので、「○○さん、じゃ1回、イソコンの弁を閉めて 」と頼
んだ。』← 国会事故調235p
もし、巨大地震による小さなひび割れにより漏えいが発生していたとして、その時に圧力を上げたらどうなる?
一気に爆発する!
『 以上のように、15時3分のICの手動停止は、当直長を含む3人の運転員の妥当な判断と連携のもとに行われてい
た。ICを手動停止した直接の理由は冷却材の温度変化率ではなく、配管からの漏えいの有無の確認、そして、原子炉
圧力を手中に収め運転操作手順書にしたがって最終的には冷温停止に持ち
込むこと
であった。』
← 国会事故調235p
『 IC手動停止に対するキーワードは「55℃/h以下」ではなく、漏えいの有無の確認だった。東電は、地震動による
配管破損というやっかいな問題を惹起しかねない「漏えいの有無の確認」という言葉の使用を避けるため、代わりに、
冷却材の温度変化率は55℃/h以下を前面に出して、ICの手動停止を説明しようとしてきたと思われる。』←235p
東電誤魔化しの呪文。
「圧力制御」「圧力を手中に収める」
上記2呪文は目的不明、意味不明ながら人を絡め取る。
そして「抜け道」 ← 設計ミス、実機での確認漏れでしょう。
下記へ続く。
20131213 - 東電は突飛な逸話でさらに深みにハマる(第 12 話)
『 b. IC系配管は地震動で破損しなかったか
政府事故調は12月26日に公表した「中間報告(本文編)」で、ICに関して極めて多くのページを割いてさまざま
な検証結果を報告している。その1つに、「地震発生直後のIC配管の破断の可能性」があり、同事故調は最終的に
以下の3つの理由を挙げて、その可能性を完全否定している。
第一に、IC配管には「破断検出回路」が付いており、IC配管が破断すればフェールセーフ機能が働いて弁が閉じ
るので、地震後ICは作動しなかったはずである。第二に、もし破断すれば原子炉圧力と原子炉水位が急激に低下す
るはずである。第三に、原子炉格納容器外のIC配管に破断が生じた場合、破断箇所から大量の放射性物質を含む蒸
気が漏えいし、「当直員の生死にも関わる事態が生じて」いたはずである。
まず、破断検出回路はIC配管が完全に破断した場合に作動するもので、配管の小破口LOCAに対しては作動しない。
また原子炉圧力や水位が急激に変化するのは大破口あるいは中破口LOCAの場合であって、小破口LOCAの場合は必
ずしもそうならないことは既に書いた(「2.2.2」参照)。さらに、第三の理由はその理由自体が誤りである。たと
え、IC系配管が破断したとしても、それにより人の生死に関わるほどの大量の放射性物質がその場にまき散らされ
るわけではない。原子炉冷却材の中に、常時、それほど大量の放射性物質が含まれているわけではないからである。
もし冷却材中に大量の放射性物質が含まれているとすれば、それは、配管が破断する前に、核燃料棒が、例えば地
震動でひどく破損し、大量の核分裂生成物が冷却材中に放出されていた場合など、極めて特殊な場合に限られる。
一方、東電は12月2日に提出した事故調査報告書(中間報告書)で、IC系配管の目視確認を行った結果、「非常
用復水器本体の損傷、配管の破断、フランジ部からの漏洩、弁の脱落などは認められなかった」とし、添付6-8(3)
に目視確認時の写真を公開している。しかしそれらの写真からも分かるように、基本的に配管類は保温材と鋼製カ
バーで覆われており、配管本体を直接目視確認できているわけではない。小破口LOCAの原因になるような細長い
ひび割れは、大ざっぱな目視確認ではなかなか発見されない。また、IC系配管は格納容器内にも存在しているが、
この目視確認は格納容器外の配管類に対してのみ行われたものである。
結論として、地震動によってIC配管に、破断検出回路が作動するほどの破損は生じなかったとしても、格納容器
の中に入って詳細に検査することができない現段階では、地震動によりIC配管に細長いひび割れが生じ、そこから
冷却材が噴出するような小破口LOCAは起きなかった、と断言する客観的根拠は何もない。 』
20120705 国会事故調 本編 pdf227〜229枚目(D/G:1号機A系海水ポンプ:停止信号の設定がない).pdf(p)
『 非常用電源を構成する非常用ディーゼル発電機等は敷地高さ10m(1号機〜4号機)か13m(5、6号機)の建屋
内にあり、波高が10mより大幅に低い津波では浸水しない。
他方、ディーゼル発電機を冷却する海水ポンプは、敷地高さ4mの海側エリア(4m盤)にあり、盤上1.6mまで浸
水すると被水停止する恐れがある。海水ポンプが停止すると海水で冷却されているディーゼル発電機は停止する。
ただし、空冷式ディーゼル発電機(2号機・4号機・5号機の各B系)はもちろん、水冷式でも1号機A系は海水ポンプ
停止による停止信号の設定がないので海水ポンプが被水しても停止しない。
以上の条件から、1号機A系、2号機B系、4号機B系については電源喪失時刻前に第2波が到達していなければ、
非常用交流電源喪失の原因は津波ではあり得ず、その他の非常用電源についても、電源喪失時刻前に第2波が
到達したか、第1波で海水ポンプが被水停止したのでない限り、非常用電源喪失の原因は津波ではあり得ない。
このことを具体的に検証した報告書は、今のところ、存在しない。』
(20120620 添付資料 pdf536枚目(D/G 1A の場合海水ポンプは CCSW である).pdf(pop))
D/G 1A の冷却海水ポンプは CCSW(格納容器冷却海水系) であり格納容器冷却系A系と共用である。
D/G 1B の冷却海水ポンプは DGSW(非常用ディーゼル発電設備冷却系) である
(20120620 添付資料 pdf537枚目(福島第一 2〜5号機の設備構成の概要).pdf(popup))
D/G 2A の冷却海水ポンプは DGSW である
D/G 2B は空冷式 である
D/G 3A の冷却海水ポンプは DGSW である
D/G 3B の冷却海水ポンプは DGSW である
D/G 4A の冷却海水ポンプは DGSW である
D/G 4B は空冷式 である
D/G 5A の冷却海水ポンプは DGSW である
D/G 5B の冷却海水ポンプは DGSW である
(20120620 添付資料 pdf296枚目(D/G 1A の場合海水ポンプは CCSW(A) CCSW(B) である).pdf(pop))
D/G 1A の冷却海水ポンプは CCSW(A) CCSW(B) である
D/G 1B の冷却海水ポンプは DGSW(A) DGSW(B)である
(20120620 添付資料 pdf298枚目(2号機:系統概略図).pdf(pop))
D/G 2A の冷却海水ポンプは DGSW(A) DGSW(B)である
D/G 2B は空冷式 である
(20131213 未解明問題 pdf186枚目(海水系ポンプの停止時刻).pdf(p
1号機 CCSW(A)は D/G 1A の冷却海水ポンプであり 格納容器冷却系A系の海水ポンプでもある
1号機 CCSW(B)は D/G 1A の冷却海水ポンプであり 格納容器冷却系A系の海水ポンプでもある
1号機 CCSW(C)は 格納容器冷却系B系の海水ポンプである
1号機 CCSW(D)は 格納容器冷却系B系の海水ポンプである
(20110516 4. 運転日誌等 1・2号機 pdf16枚目(当直引継日誌).pdf(popup))
『 14:58 大津波警報発令 』
『 15:07 トーラスクーリング(A) インサービス 』 注。トーラスクーリング = S/P冷却 = 圧力抑制室冷却
『 15:10 トーラスクーリング(B) インサービス 』
20120705 国会事故調 本編 229枚目(D/G停止信号).pdf(p)
『 水冷式でも1号機A系は海水ポンプ停止による停止信号の設定がないので海水ポンプが被水しても停止しない。』
『 海水ポンプの電動機の被水停止後、ポンプの吐出圧が一定以下の状態が60秒(3号機のみ10秒)経過すると
ディーゼル発電機停止信号が出る 』
20120705 国会事故調 本編 pdf262枚目(
海水注入を止めろ).pdf(p)
『 3月12日 19:25
官邸の武黒フェローは、吉田所長との電話により海水注入の開始を認識したが、官邸にて海水注入のリスクについて
検討中であったため、吉田所長に対して海水注入のいったん停止を指示した。
吉田所長は、テレビ会議システムの発話上海水注入の中断を命ずるも、実際には海水注入の継続を指示しており、海
水注入は中断されなかった。』← 国会事故調260p
20120705 国会事故調 本編 pdf263枚目(
海水注入を止めろ).pdf(p)
『 1号機への海水注入が開始されてから約20分がたったころ、武黒フェローは吉田所長からの電話で海水注入が始まっ
たことを知ったが、官邸で海水注入のリスクについて検討が進められていたため、吉田所長に対して海水注入をいった
ん待つよう指示した。これは、菅総理や官邸内からの指示ではなく、武黒フェローが、リスクについて検討中であった
官邸との関係をおもんぱかり、「最高責任者である総理の御理解を得て進めるということは重要だ」と考えて、独断で
指示をしたものである。
約3時間前の15時20分にはファクスで官邸を含む関係各所に海水注入の意向が伝えられ、17時55分には海江田経産大
臣から海水注入命令が官邸で行われていたわけであるから、吉田所長から海水注入開始の報告を受けた武黒フェロー
は、その事実をそのまま官邸へ伝えるべきであった。武黒フェローの指示は合理性がなく、結果として、その後の指揮
命令系統の混乱を招いた。
この時、官邸では、菅総理が淡水から海水に切り替えると「再臨界」の恐れがあるのではないかとの疑問を抱いてい
たため、班目委員長が中心となってその解消に腐心していた。菅総理は、既に海水注入が始まっていたことを知らなか
ったために時間があると思って慎重に確認したものと考えられるが、技術的には無駄な議論であった。
吉田所長は、せっかく開始した海水注入を中止するわけにはいかないと考え、テレビ会議上は中断したかに見せかけ
ながら、自らの判断で海水注入を継続した。この点で、政府の意思決定の混乱とそれを受けた武黒フェローの指示は、
海水注入それ自体にはなんら影響を与えなかった。』← 国会事故調261p
20120705 国会事故調 本編 pdf272枚目(3月14日9時51分:各プラントへの流量).pdf(popup)
コメント:後日
20120705 国会事故調 本編 pdf273枚目〜276枚目(2号機 社長の一声で、、むき出しになった燃料棒).pdf(pop)
1)『 3月14日
15:53 2号機のS/Cの水温が130℃を超えていたため、福島第一原発では、SR 弁を開いても水蒸気が十分に
凝縮されず、炉圧が下がらない可能性が高いとの見解で一致していた。このため、減圧のためには、
SR 弁を開く前にPCV(格納容器)ベントによってS/Cの圧力及び水温を下げ、原子炉圧力を下げる
ことが必要であると認識されていた。』
2)『 16:12 本店高橋フェローは、官邸から直ちに2号機の注水を行うよう要請があったことを報告した。』
3)『 16:15 班目委員長から吉田所長に電話があり、2号機の減圧について「 PCV ベントラインを生かすより、
(SR弁を開き)減圧して注水を先にすべきではないのか。減圧すれば水は入っていくのだから、
早く水を入れるべき」との意見が伝えられた。
その後、班目委員長の提案について、福島第一原発及び本店で検討を行った結果、現状S/Cの温度が
高いため、蒸気が凝縮せず十分な減圧を行うことができない可能性があり、注水を行うことができな
いまま水位だけ急低下するリスクが懸念されたため、東電の方針(ベントラインの構成を最優先とす
る方針)で続行することとなった。』
v
4)『 16:20 上記を受け、吉田所長は、現場に対してベント予定時間を 17 時と設定し(TAF(有効燃料頂部)到達
予想時刻 17 時 30 分)、引き続き PCV ベントライン (W/W(ウェットウェル))の構成を優先する
ように指示した。また、吉田所長は、本店に対して、班目委員長への説明及びフォローを行うよう要
請した。』
5)『 16:22 既に W/W ベントライン構成の準備をしていた作業員から、電源を接続したがベント弁が動かない旨の
報告があった。また、同作業員によると、空気を送るためのコンプレッサーは作動しているため、圧力
が不足している可能性があるが、圧力の測定手段がないため、方策としては動くまで待つしかないとの
ことであった。』
6)『 16:23 上記やり取りを聞いていた清水社長は、吉田所長に対し、班目委員長の意見に従って先に SR弁を開ける
よう指示を行なった。(略)』
7)『 16:28 吉田所長が、2号機 SR弁開放による減圧操作を指示。』
8)『 18:00 ごろ 2号機 SR弁が開になるが、注水は依然として行われない。』
9)『 18:02 吉田所長は官邸に対して、2号機 SR 弁を開き減圧操作を行なったものの、蒸気が凝縮せず十分に
減圧できないまま炉水位が低下し、芳しくない状況であることを説明した。
「東京電力の吉田でございます。2号機は SR 弁が開きましたが、格納容器内の温度が高いもんです
から、なかなか蒸気が凝縮しない。その状態で炉水位が下がっているというあまり良くない状況で、
まぁ下がったは下がったんですが、そういう状況におるということを報告させていただきます」 』
10)『 18:22 炉水位の急速な低下により、2号機の水位はマイナス3700mm となり、燃料がむき出しの状態と
なった。』
20120705 国会事故調 本編 pdf304枚目〜324枚目(3.3 官邸が主導した事故対応の問題点 ? ? ?).pdf(popup)
コメント:後日
20120705 国会事故調 本編 pdf306枚目(緊急事態宣言の発出が2時間遅れた なぜ?).pdf(popup)
『 a. 時間を要した原子力緊急事態宣言の発出
3月11日16時45分、東電から原災法15条該当事象の通報を受け、保安院は、緊急事態宣言の上申準備を行い、
17時42分、海江 田経産大臣が、緊急事態宣言発出について菅総理の了解を得るために、緊急事態宣言上申案
を携えて官邸を訪れた。
菅総理は、「本当に全部落ちたのか」、「予備のバッテリーがあるはずだ」などと、緊急事態宣言の発出と
原災本部の速やかな設置の必要性よりも、なぜそのような事態になってしまったのかという技術的な観点や、
法令上の建て付けに関する質問を繰り返した。そして、「なぜこんなことになったのか」、「本当に全ての可
能性がないのか」と繰り返し質問し、「これは大変なことだよ」と発言して、海江田経産大臣や保安院幹部か
ら再三にわたり、「総理、これは法律に基づいてやらなければならないんです」、「緊急事態宣言を出してく
ださい」と緊急事態宣言の発出を要請されても、これを了解しようとしなかった。さらに、18時12分になると、
菅総理が予定されていた与野党党首会談に出席するため、上申手続きはいったん中断された。結局、緊急事態
宣言が発出されたのは、菅総理が与野党党首会談から戻った後19時3分になってのことだった。 』
(20120914 2011年3月11日16時36分(原災法第15条-1報(FAX)).pdf(popup))
『 3月11日16時36分 原災法第15条報告 1、2号機
原子力緊急事態に該当する事象の種類:非常用炉心冷却装置注水不能
「1、2号機の原子炉水位の監視が出来ないことから、注水状況が分からないため、
念のために「原災法15条」に該当すると判断しました」 』
上記のような根拠不明の念のためのFAXでは、緊急事態宣言および住民避難指示はとても出せない。
20120705 国会事故調 本編 pdf306〜pdf308枚目(緊急事態宣言の発出が2時間遅れた なぜ?).pdf(popup)
『 菅総理は、「本当に全部落ちたのか」、「予備のバッテリーがあるはずだ」 』
20120705 国会事故調 本編 pdf308枚目(原災法15条該当事象の通報から30分から35分程度).pdf(popup)
『 原子力総合防災訓練においては、事業者からの原災法15条該当事象の通報から30分から35分程度で行われていた緊
急事態宣言の発出 』
20120705 国会事故調 本編 pdf312枚目(菅総理「なぜベントが実施できていない」).pdf(popup)
『 菅総理は、福島第一原発において「なぜベントが実施できていない」などと相当に厳しい様子を見せていた、』
20120705 国会事故調 本編 pdf313枚目〜315枚目(海水注入:再臨界の可能性についての回答があやふや).pdf(p)
『 官邸5階では海水注入が必要であると関係者の認識は一致していたが、18時過ぎごろ、菅総理は、再臨界の可能性等
について、班目委員長が「ゼロではない」との表現で回答したことを受けて、「大変じゃないか」と懸念を示した。
これに対し、海水注入の必要性を認識していたはずの者たちからは、その必要性について十分に菅総理に説明されな
かった。班目委員長、又は久木田委員長代理は、「再臨界は、まず起きないと考えていい」という趣旨の説明をした
が、菅総理から、「そうはいっても、ないと言っていた水素爆発が起きたじゃないか」と言われると、それ以上何も
言うことができなくなった。
・・・・・ 』← 国会事故調311p
20120705 国会事故調 本編 pdf319〜pdf324枚目(避難指示等の決定の経緯).pdf(popup)
20120705 国会事故調 本編 pdf322枚目(避難指示に混乱).pdf(popup)
『 最初の半径3km圏内の避難指示が発せられたのは、緊急事態宣言の発出からさらに2時間余りが経過した
21時23分である。その間、福島県が、政府から避難指示等が出されないことに危機感を募らせ、独自の
判断で半径2km圏の避難指示を(20時50分に既に)発していたこともあって、自治体や住民の間に大きな
混乱が生じた。 』
20120705 国会事故調 住民アンケート[抜粋] .pdf(popup)
20120705 国会事故調 従業員アンケート[抜粋] .pdf(popup)
20120705 国会事故調 会議録 .pdf(popup)
20120705 国会事故調 報告書(index)HTML版 .html(popup)