20120620 東電プレスリリース「福島原子力事故調査報告書の公表について」(index).html(popup)
20120620 本編(概要版).pdf(popup)
※
正誤表.pdf(popup)
20120620 本編(概要版)pdf9枚目(設備設計 多重性や多様性及び独立性を持たせた非常系の冷却設備).pdf(p)
20120620 本編(概要版)pdf17枚目(主要建屋への浸水経路).pdf(p)
20120620 本編(概要版)pdf22枚目(IC:原子炉圧力の制御).pdf(popup)
『 c . 非常用復水器に対する教育・訓練の状況について
・非常用復水器については、事故時運転操作手順書等の訓練を行っていく中でシステムの研修を行うととも
に、日々の現場巡視や月1回の定例試験、定期検査中の保全活動などのOJTを実施。
・具体的には、定例試験においては,運転中に蒸気が非常用復水器に流れ込むことがないような手順で各隔
離弁を順番に開閉しその動作から系統が健全であるこ とを確認。定期検査においては,非常用復水器のイ
ンターロックを理解した上で定期検査中の保全活動を安全に行うことができるようにするための処置を検討。
このように、実業務の中で知識を習得し、 系統・機能やインターロックを把握している。
・地震発生以降、津波到達までにおいて、中央制御室は原子炉圧力の制御を非常用復水器を使用して問題な
く行っており、これらの教育訓練やOJTによりその系統・機能を十分理解し、習得した知識を活用した上
での操作。 』
そんなバカな! 出鱈目な! よく言うよ!
下記手順書に従えば、原子炉圧力の制御(最高圧力近辺での圧力上下動操作)などといった素っ頓狂な操作は出て
こない。
下記手順書に従えば、大地震後に圧力を上げるなどといった操作は出てこない。一目散に圧力を下げるのが手順書
以前に当然。
大地震直後に冷却装置が自動起動してせっかく圧力を下げたのに、「圧力を最高圧力近辺で上下動制御」などとい
う手順書があったとすれば、その手順書がおかしい。
余震が続き、大津波警報発令中に、自動的に低下した圧力を、人為的に上昇させ、最高圧力近辺で上下動などとい
う操作は、絶対にやってはいけない危険行為でありこそすれ、何の必然性も必要性もない。
「教育訓練やOJTによりその系統・機能を十分理解し、習得した知識を活用した上での操作。」
パニックに陥って、ブレーキとアクセルを間違えたのか、訓練を全くしていなかったのか、訓練が間違っていたの
か?
下記手順書に従っていれば、メルトダウンを防げた可能性はゼロではない。なぜならば、津波到達時に最高圧力近
辺になっていたので、津波到達後の早い時間に冷却水の安全弁から吹き出しが始まった。その分だけ燃料露出まで
の時間が短くなる。下記手順書に従い冷却を続けていれば、圧力が低くなっているので、津波到達後に冷却水が安
全弁から吹き出す圧力に達するまでに時間がかかる。その分だけ燃料露出までの時間が長くなる。
津波により落ちたバッテリーAが多分端子の渇きにより復活し、18時18分に非常用復水器を起動したが、動作は不
調であった。当サイトでは、冷却水自体が安全弁から吹き出してしまっていて、冷却のために循環する冷却水が極
めて少量しか残っていなかったと考えている。もし、下記手順書に従って、冷却を続けていれば、冷却のために循
環する冷却水が多く残っていた可能性が高く、メルトダウンが防げたかも知れない。
「冷やせる装置があるときは、とにかく冷やす」は鉄則であり、確率的にリスクを低減する。
(20111220 1号機 事故時運転操作手順書(事象ベース) 第22章(大規模地震発生、外部電源喪失、津波).pdf(pop))
20120620 本編(概要版)pdf35枚目(事象面から見た安全機能喪失の要因).pdf(popup)
『(1)事象面から見た安全機能喪失の要因 』
『 今回の事故は津波による浸水を起因として、多重の安全機能を同時に喪失したことで発生しており、 』
『 「長時間におよぶ全交流電源と直流電源の同時喪失」と「長時間におよぶ非常用海水系の除熱機能の喪失」が
事象面から見た要因である。 』
「長時間におよぶ全交流電源と直流電源の同時喪失」に対する、対応責任は、当直長にある。
「長時間におよぶ非常用海水系の除熱機能の喪失」に対する、対応責任は、発電所長にある。
「非常用海水系の除熱機能を長時間に渡り喪失」したままにしておけば、メルトダウンに至るのは、当然のことで、
「非常用海水系の除熱機能」を喪失したまま応急復旧せずにそのままにしておいて、
「長時間におよぶ非常用海水系の除熱機能の喪失」という書き方は全くの誤魔化しでしょう。
問題の本質は、発電所長が「非常用海水系の除熱機能」の応急復旧命令をなぜ出さなかったか、あるいは、なぜ
出せなかったか、である。
(後日挿入予定:発電所長は原発を運転したことがないので何が重要かが分かっていない)
20120620 本編(概要版)pdf38枚目(代替注水失敗:運転ミス).pdf(popup)
『 <事故原因>
・今回の福島第一1号機~3号機が炉心損傷事故に至った直接的な原因は,1号機では津波襲来によって早い段階で
全ての冷却手段を失ったことであり,2,3号機では津波による瓦礫の散乱や1号機の水素爆発により作業環境が
悪化したため,高圧炉心注水から安定的に冷却を継続する低圧炉心注水に移行できず,最終的に全ての冷却手段
を失ってしまったことである。
・すなわち,これまでの原子力発電所における事故への備えは,今般の津波による設備の機能喪失に対応できない
ものであった。津波の想定高さについては,その時々の最新知見を踏まえて対策を施す努力をしてきた。この津
波の高さ想定では,自然現象である津波の不確かさを考慮していたものの,想定した津波高さを上回る津波の発
生までは発想することができず,事故の発生そのものを防ぐことができなかった。このように津波想定について
は結果的に甘さがあったと言わざるを得ず,津波に対する備えが不十分であったことが今回の事故の根本的な原
因である。 』
2号機は12Vx10個で急速減圧可能。
3号機はバッテリーを使って減圧すべき:考え方が手順書の意図に反している。
20120620 本編(概要版 別添).pdf(popup)
20120620 本編(概要版 別添) pdf16〜pdf17枚目(3号機「HPCIから代替注水への移行失敗」).pdf(p)
20120620 本編 .pdf(popup)
※
正誤表.pdf(popup)
20120620 本編 pdf29〜pdf30枚目(津波波形).pdf(popup)
20120620 本編 pdf77枚目(当直長の責任).pdf(popup)
『 原子力発電所において異常が発生した場合、機器の動作状況等を確認し、予め定められた手順に従った操作を行う
判断は基本的に当直長が実施する。 』
運転に関するキャプテンは当直長であり、運転を事前委任されている。なぜならば、発電所対策本部と連絡が取れな
くなった場合は、現場で判断して即時対応する必要があるからである。
例えば、格納容器が危険になった場合のベントについても、所長と連絡が取れない場合は、当直長の判断で実施でき
る。当直長の権限はそれだけ大きく、逆に当直長の責任はそれだけ重く、大きな役割を果たさなければならない。
(20111220 3号機(兆候ベース) 序文 pdf5枚目().pdf(popup))
『 但し、連絡が取れない場合、又は事象の進展によりやむを得ない場合はこの限りでない。 』
福島第一原発の最大の問題点は、当直長と発電所長がそれぞれの責任を果たしておらず、
ゴチャゴチャしたまま、何の見通しもなく、時間だけが過ぎて、メルトダウンさせてしまったこと
にある。
20120620 本編 pdf77(発電所長の責任).pdf(popup)
『 発電所の緊急事態に対する応急復旧計画の立案と措置、並びに事故拡大防止に必要な運転上の措置等の実施は、
原子力防災管理者である発電所長に権限があり、 』
メルトダウンを防ぐために必要な応急復旧計画の立案と措置は、残留熱除去系の応急復旧計画の立案と措置、である
が、これらの責任が果たされていない。
事故拡大防止に必要なものは、これまた残留熱除去系の応急復旧計画の立案と措置、であるが、これらの責任が果た
されていない。
残留熱除去系の応急復旧が速ければ、メルトダウンに至らずに済むし、メルトダウンに至ったとしてもメルトスルー
に至らずに済むし、メルトスルーに至ったとしても格納容器損壊には至らずに済む。
20120620 本編 pdf106〜107枚目 頁 84〜85.pdf(popup)
『 ・ 1号機は平成23年3月11日14時46分、地震によりスクラム動作し、同47
分に制御棒が全て挿入された。【添付6-1(1)】
・ これに伴い平均出力領域モニタ(APRM)の指示は急減しており、スクラムが
正常に動作したことが確認できる。 【添付6-1(2)】
・ 外部電源が喪失したことにより、14時47分に非常用D/G 2台が自動起動して
おり、その電圧は正常に確立している。【添付6-1(3)】
・ 外部電源の喪失に伴って、非常用D/G起動までの間に非常用母線の電源が一時的
に喪失したため、原子炉保護系の電源がなくなり、主蒸気隔離弁が自動閉となった。【添付6-1(4)】 』
20120620 本編 pdf118枚目(3号機HPCI連続運転による圧力低下).pdf(popup)
『 なお、福島第一3号機の高圧注水系の蒸気配管に関する地震の影響について、原子炉隔離時冷却系が停止し、高圧
注水系が起動してから原子炉圧力が約7MPaから約1MPaまで低下しているため、3号機の高圧注水系の蒸気配管
破断の可能性も含め確認を行った。この結果、運転員からの聞き取りにより、実際に高圧注水系(HPCI) 室に入室
し異常が見られなかったことが確認され、高圧注水系の蒸気配管に異常はなか ったことが確認された。また、ト
ーラス室(圧力抑制室が設置されている部屋)にも蒸気配管が通っているが、高圧注水系が停止した後の13日朝に
運転員が入室しており、配管が破断したような異常は認められていない。3号機の原子炉圧力の低下は、タービ ン
駆動用に原子炉から引き込む蒸気の消費量が大きい高圧注水系(蒸気駆動)を連続運転したことにより生じたものと
考えられる。』
(20120620 本編 pdf199枚目(3号機HPCI運転すると蒸気が逃がされ圧力低下).pdf(pop))
『 12日11時半頃に冷却に使用していた原子炉隔離時冷却系が自動停止し原子炉水位 が低下したが、1時間後には
高圧注水系が自動起動し、原子炉水位が回復するとともに、 原子炉圧力が減圧され始めた(容量が大きい高圧
注水系を運転すると、ポンプ駆動用タ ービンに原子炉の蒸気が逃がされることで、原子炉圧力が低下する)。 』
20120620 本編 pdf126枚目(主要建屋への浸水経路
).pdf(popup)
後日書き出し
20120620 本編 pdf127枚目(各D/Gの停止時刻).pdf(popup)
後日書き出し
20120620 本編 pdf128枚目(非常用海水系ポンプの津波被害).pdf(popup)
『 ① 非常用海水系ポンプ
1号機から6号機は海水を利用することで崩壊熱の除去を行う構造になっている。また、一部の空冷式を除き、
非常用D/Gも海水を利用して機関の冷却を行う構造である。 このため、海水を取り込むための非常用海水系ポン
プ(格納容器冷却海水系ポンプ、残留熱除去海水系ポンプ、非常用D/G海水ポンプ)が海側エリアに設置されてい
る。
これらの非常用海水系ポンプを設置している海側エリアの敷地高さは O.P.+4mであり、津波高さの評価結果を踏
まえ、津波の高さ5.4~6.1mに対して機能を確保できるよう対策を講じていたものの、津波はそれを大幅に超えるも
のであったことからこれらのポンプのモータは冠水し、系統の機能を喪失した。
なお、屋外海側エリアに設置されている非常用海水系ポンプ設備については、設備点検用クレーンの倒壊、漂流
物の衝突等によるポンプならびに付属機器の損傷、モータ軸受潤滑油への海水の混入が確認されたものもあったが、
点検中で取り外していた4号機の残留熱除去海水系ポン プ(A、C)を除き、いずれも津波を受けた後も据付場所に自
立しており、ポンプ本体が流出したものはなかっ たなど、非常用海水系ポンプの躯体の機械的損傷は限定的であっ
た。例えば、6号機のD/G(6A)冷却用の海水ポンプは平成23年3月18日時点で特段の修理を行わずに起動することが
できたことから、その後の平成 23年3月19日、D/G(6A)を起動することができた。 【添付7-2】 』
20120620 本編 pdf134枚目 頁 113(原子炉への注水→主蒸気逃がし安全弁→圧力抑制室).pdf(popup)
原子炉へ注水された水は、燃料棒を冷やした後、圧力抑制室へ流れ込むことになるので圧力抑制室の水位が上昇する。
水位が上昇しベント管が水没するとベント機能が失われることとなり格納容器の健全性が損なわれてしまうことにな
る。総注水量はベント管-マイナス1mまでに制限されている。
格納容器の健全性確保前提で、
代替注水により原子炉を何時間冷やし続けられるかの試算:
1号機:約110時間(4日と14時間)(ICを動作させICタンクに注水を続ければ原子炉そのものは冷却続行可能)
2号機:約 87時間 (3日と15時間)
3号機:約 87時間 (3日と15時間)
なお、上記を時間を把握しておくことは、応急復旧計画を立てる上で極めて重要である。
以下、代替注水で原子炉を何時間冷やし続けられるかの試算根拠。
(20111220 1号機(シビアアクシデント) 2. pdf29枚目〜30枚目(代替注水の場合の時間帯別必要注水量).pdf(p))
表中の「必要注水量」を継続注水し、次項「代替注水の最大限度量1700m3」に達するまでの時間を計算すると、
約110時間(4日と14時間)となる。
(20111220 1号機(シビアアクシデント) 2. pdf33枚目〜34枚目(代替注水の最大限度量1700m3).pdf(popup))
(20111220 2号機(シビアアクシデント) 2. pdf33枚目〜34枚目(代替注水の場合の時間帯別必要注水量).pdf(p))
表中の「必要注水量」を継続注水し、次項「代替注水の最大限度量2300m3」に達するまでの時間を計算すると、
約87時間(3日と15時間)となる。
(20111220 2号機(シビアアクシデント) 2. pdf41枚目〜42枚目(代替注水の最大限度量2300m3).pdf(popup))
(20111220 3号機(シビアアクシデント) 2. pdf35枚目〜36枚目(代替注水の場合の時間帯別必要注水量).pdf(p))
表中の「必要注水量」を継続注水し、次項「代替注水の最大限度量2300m3」に達するまでの時間を計算すると、
約87時間(3日と15時間)となる。
(20111220 3号機(シビアアクシデント) 2. pdf43枚目〜45枚目(代替注水の最大限度量2300m3).pdf(popup))
以上、代替注水で原子炉を何時間冷やし続けられるかの試算根拠。
20120620 本編 pdf134枚目(部分1)(原子炉への注水→主蒸気逃がし安全弁→圧力抑制室).pdf(popup)
原子炉へ注水された水は、燃料棒を冷やした後、圧力抑制室へ流れ込むことになるので圧力抑制室の水位が上昇する。
水位が上昇しベント管が水没するとベント機能が失われることとなり格納容器の健全性が損なわれてしまうことにな
る。総注水量はベント管-マイナス1mまでに制限されている。
20120620 本編 pdf134枚目(部分2)(原子炉への注水→主蒸気逃がし安全弁→圧力抑制室).pdf(popup)
原子炉へ注水された水は、燃料棒を冷やした後、圧力抑制室へ流れ込むことになるので圧力抑制室の水位が上昇する。
水位が上昇しベント管が水没するとベント機能が失われることとなり格納容器の健全性が損なわれてしまうことにな
る。総注水量はベント管-マイナス1mまでに制限されている。
20120620 本編 pdf143枚目 頁122(11日15時42分、発電所長は原災法第10条該当事象と判断した ).pdf(popup)
『 ・ 11日15時37分、津波の浸水によって、全ての交流電源を喪失。前後して、建
屋内への海水の浸入を思わせる警報が発生、直流電源も喪失し、中央制御室の照明の
他、監視計器や各種表示ランプも消灯、警報音も消え中央制御室は一瞬シーンとなっ
た。最初は何が起きたか分からず、目の前で起こっていることが本当に現実なのかと
疑いたくなるような状況であった。その後、「海水が流れ込んで来ている」と大声で
叫びながら、ずぶ濡れの運転員が戻ってきたことで、中央制御室の運転員は津波の襲
来を確信した。
・ 11日15時42分、発電所長は原災法第10条該当事象(全交流電源喪失)と判
断した。 』
直流電源が喪失し、中央制御室等使用不能であるので、原災法第10条該当事象ではなく、
内閣総理大臣による「緊急事態宣言」「避難指示」に該当する原災法第15条該当事象である。
この判断ミスによる報告の遅れ、およびその後の曖昧な報告が「緊急事態宣言」および「避難指示」の遅れに繋がり、
その遅れが避難の混乱に繋がり、双葉病院の患者50人を死なせるという悲劇に繋がる。
的確な報告を行えば、事象の進展スピードとの関係で避難時間に余裕が出来る。
的確な報告を行なわなければ、その間に事象が進展し、避難時間に余裕がなくなり、避難の混乱に繋がる。
20120620 本編 pdf144枚目 頁123(11日16時36分、発電所長は原災法第15条該当事象と判断した ).pdf(popup)
『 ・ 津波襲来前まで原子炉圧力の手動制御に用いていた非常用復水器は、表示が消灯し、弁の開閉状態の
確認も弁の操作もできない状態となった。また、非常用復水器と同様に直流で操作可能な高圧注水系につ
いても制御の表示灯が消灯し起動不能な状態となった。【添付8-1】 』
『 ・ 11日15時50分、原子炉水位が不明な状態となっていることが確認された。
高圧注水系(HPCI)の表示灯が消灯し起動不能な状態であり、原子炉への注水状況を確認できないため、
同日16時25分、当直長は原災法第15条該当事象が発生したことを発電所対策本部に報告、
同日16時36分に、発電所長は原災法第15条該当事象(非常用炉心冷却装置注水不能)と判断した。 』
20120620 本編 pdf199枚目(3号機HPCI運転すると蒸気が逃がされ圧力低下).pdf(pop)
『 12日11時半頃に冷却に使用していた原子炉隔離時冷却系が自動停止し原子炉水位 が低下したが、1時間後には
高圧注水系が自動起動し、原子炉水位が回復するとともに、 原子炉圧力が減圧され始めた(容量が大きい高圧
注水系を運転すると、ポンプ駆動用タ ービンに原子炉の蒸気が逃がされることで、原子炉圧力が低下する)。 』
(20120620 本編 pdf118枚目(3号機HPCI連続運転による圧力低下).pdf(popup))
『 なお、福島第一3号機の高圧注水系の蒸気配管に関する地震の影響について、原子炉隔離時冷却系が停止し、高圧
注水系が起動してから原子炉圧力が約7MPaから約1MPaまで低下しているため、3号機の高圧注水系の蒸気配管
破断の可能性も含め確認を行った。この結果、運転員からの聞き取りにより、実際に高圧注水系(HPCI) 室に入室
し異常が見られなかったことが確認され、高圧注水系の蒸気配管に異常はなか ったことが確認された。また、ト
ーラス室(圧力抑制室が設置されている部屋)にも蒸気配管が通っているが、高圧注水系が停止した後の13日朝に
運転員が入室しており、配管が破断したような異常は認められていない。3号機の原子炉圧力の低下は、タービ ン
駆動用に原子炉から引き込む蒸気の消費量が大きい高圧注水系(蒸気駆動)を連続運転したことにより生じたものと
考えられる。』
20120620 本編 pdf206〜207枚目(3号機:HPCI停止後の減圧のためのバッテリーの準備が泥縄).pdf(pop)
3号機のHPCI停止は、13日2時42分。直ちに代替注水が必要になったが・・・・・
『 ・ 消防車によって原子炉へ注水するためには、消防車の吐出圧力が低いため、主蒸気がし安全弁による原子
炉圧力の減圧が必要であった。また、この主蒸気逃がし安全弁を開けるためにはバッテリーが必要であったが、
1、2号機の計器復旧等のために所内のバッテリーを集めた後だったこともあり、必要な電源が確保できず主蒸
気逃がし安全弁を操作できない状態であった。
・ このため、13日7時頃、発電所対策本部の社員の自動車のバッテリーを取り外して集め、発電所対策本
部復旧班が中央制御室へ運搬した。』
『 ・ 13日9時8分頃に主蒸気逃がし安全弁が開いて、原子炉圧力の急速減圧が開始された。』
『 原子炉の減圧によりディーゼル駆動消化ポンプによる注水を開始するとともに、9時25分、消防車による
注水が開始された。』
20120620 本編 pdf220〜pdf224枚目(3号機「HPCIから代替注水への移行失敗」のあきれた弁明).pdf(pop)
『 中央制御室では使用可能であった直流電源の節約措置を施した原子炉隔離時冷却系や 高圧注水系の運転、』
20120620 本編 pdf221枚目(主蒸気逃し安全弁SRV:8.5Wで動作).pdf(popup)
20120620 本編 pdf221〜pdf224枚目(3号機「HPCIから代替注水への移行失敗」のあきれた弁明).pdf(pop)
20120620 本編 pdf227〜pdf232枚目(5号機の対応(含。残留熱除去系の復旧)).pdf(popup)
20120620 本編 pdf229〜pdf230枚目(5号機の対応:本店主導で残留熱除去系の復旧).pdf(popup)
5号機は定期検査中だった。3月15日夕方〜本店主導で残留熱除去系の復旧を行なった〜19日。
『 ・ 3月11日以降、原子炉水位及び使用済燃料プール水位は十分に確保されていたも
のの、水温が上昇傾向にあることを踏まえ、3月15日夕方に本店対策本部内にて原
子炉と使用済燃料プールの冷却方策検討指示が出され、翌16日から本店にて検討を
開始した。残留熱除去系は6号機からの仮設電源ケーブルを用いた電源融通により、
また、残留熱除去海水系は電源車を電源として一般汎用品の水中ポンプによる代
替策により復旧することを16日午後から深夜にかけて順次発電所に提案した。 』
20120620 本編 pdf230枚目(5号機の対応:残留熱除去系の復旧図).pdf(popup)
20120620 本編 pdf230枚目(残留熱除去系の復旧例図:高圧電源車で、仮設水中ポンプを駆動).pdf(pop)
20120620 本編 pdf233〜pdf236枚目(6号機の対応(含。残留熱除去系の復旧)).pdf(popup)
20120620 本編 pdf234〜pdf235枚目(6号機の対応:本店主導で残留熱除去系の復旧).pdf(popup)
6号機は定期検査中だった。3月15日夕方〜本店主導で残留熱除去系の復旧を行なった〜19日。
『 ・ 3月11日以降、原子炉水位及び使用済燃料プール水位は十分に確保されていたも
のの、水温が上昇傾向にあることを踏まえ、3月15日夕方に本店対策本部内にて原
子炉と使用済燃料プールの冷却方策検討指示が出され、翌16日から本店にて検討を
開始した。残留熱除去海水系は電源車を電源として一般汎用品の水中ポンプによる代
替策により復旧することを16日午後から深夜にかけて順次発電所に提案した。 』
20120620 本編 pdf266〜pdf268枚目(自衛隊へり輸送支援:2Vバッテリー).pdf(popup)
20120620 本編 pdf269〜pdf270枚目(電源車でほう酸水注入系SLCを復旧させようとしていた).pdf(popup)
20120620 本編 pdf339枚目(ディーゼル駆動消化ポンプ、、機能喪失 実際に使っている).pdf(popup)
20120620 本編 pdf346枚目(原子炉隔離時冷却系(RCIC) で2〜3日の対応時間を確保することはできた).pdf(p)
『 2、3号機では、津波襲来後も原子炉隔離時冷却系(RCIC)などの高圧注水系が機能したことで、2〜3日の
対応時間を確保することはできた 』
20120620 本編 pdf351枚目(原子炉隔離時冷却系(RCIC)の長時間運転に成功した).pdf(popup)
『 今回、2,3号機については、原子炉隔離時冷却系の長時間運転に成功した 』
20120620 別紙1(撤退問題に関する官邸関係者の発言).pdf(popup)
20120620 別紙2(主な時系列).pdf(popup)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf1〜pdf2枚目(対応状況 資料一覧).pdf(popup)
『 本資料は、これまでの事故調査の過程で得られた当直長日誌、運転日誌、チャートなど
の記録や、中操ホワイトボードなどの各種情報、関係者への聞き取り結果を基に事実関係
を整理し、当社として認定した事実を取りまとめたものです。 』
1号機〜3号機の「残留熱除去系復旧の対応状況」が無い。つまり、何もしていない。メルトダウンは避けられない。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf3枚目(地震発生).pdf(p)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf5枚目(パラメータも問題なしという報告を受け、当直長は「このまま).pdf(p)
『 ・ パラメータも問題なしという報告を受け、当直長は「このまま収束(冷温停止)に持って行ける」と感じて
いた。 』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf6枚目(窓から海の方を見ると遠くに白波が立ち、津波が迫っている).pdf(p)
『 窓から海の方を見ると遠くに白波が立ち、津波が迫っている状況であった。 』
『 <5,6号機中央制御室の状況>
・ 屋外監視カメラ(ITV)を用いて津波の監視を試みるも、使用出来なかった。 』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf7〜8枚目(海水が引いて普段は見えない海底が見えた).pdf(popup)
『 ・ 5,6 号機の防護管理ゲート付近で避難誘導を行なっていた運転員と警備員は、
現場から避難してくる人がいなくなった後、
海の方を見ると、海水が引いて普段は見えない海底が見えた。 』 ← 相当な引き波が発生していた証拠。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf8枚目(海の方を見ると、海水が引いて普段は見えない海底が見えた).pdf(p)
『 海の方を見ると、海水が引いて普段は見えない海底が見えた。 』 ← 相当な引き波が発生していた証拠。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf9枚目 頁7(15:37、1号機のD/Gがトリップした。全交流電源喪失).pdf(p)
『 15:37、(略)1号機のD/Gがトリップした。運転員は「SBO(所内全交流電源喪失)」と叫んだ。』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf9〜pdf10枚目 頁7〜8.pdf(popup)
『 15:37、(略)1号機のD/Gがトリップした。運転員は「SBO(所内全交流電源喪失)」と叫んだ。』
『 15:50、原子炉水位が不明となっていることを確認した。全交流電源に加え、直流電源も喪失し、
全電源喪失となった。
当直長は、確認した結果を随時発電所対策本部発電班に連絡した。 』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf10枚目 頁8(15:50、直流電源も喪失し、全電源喪失となった。).pdf(p)
『 15:50、原子炉水位が不明となっていることを確認した。全交流電源に加え、直流電源も喪失し、
全電源喪失となった。
当直長は、確認した結果を随時発電所対策本部発電班に連絡した。 』
(上記は、直流電源喪失(全喪失)であり、原災法第15条報告に該当するが、この時点での報告が行われておらず、
原災法違反である。
原災法第15条報告:「原子力緊急事態宣言」および「避難のための立退き又は屋内への退避の勧告又は指示」に
直結する最重要報告)
(原災法第15条報告の第1報は、上記から約40分後の16時36分である)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf12枚目(地震発生後、消防隊は、 消防服に着替えて待機していた).pdf(pop)
『 地震発生後、消防隊は予め決められている免震重要棟1階の部屋に自発的に集まり、消防服に着替えて待機して
いた。 』
消火設備は24時間365日いつでも使用可能な状態に保たれていなければならない。
震度6強の地震発生後、ろ過水タンク、D/D FP等を含めた消火設備の健全性の確認を行い防火管理者たる所長へ
報告するようになっていれば、あるいは津波後もそのような体制が確保されていれば、ろ過水タンクの水が代替注水
の水としてもっと早期から有効に使用されていたと考えられる。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf18枚目(「設備復旧に関する対応状況」が無い).pdf(pop)
『 このような状況の中、発電所長の指揮の下、原子炉注水、格納容器ベント、電源復旧
といった事故収束に向けた対応が行われた。(詳細は、別資料「注水に関する対応状況」
「格納容器ベント操作に関する対応状況」「電源復旧に関する対応状況」参照) 』
「事故収束」とは「冷温停止」のことであり、「冷温停止」させるためには「残留熱除去系復旧」が必須である。
上記文中に「残留熱除去系復旧」という最重要事項が無い。
発電所長が、「残留熱除去系復旧」の指揮を発していないし、「残留熱除去系復旧」の動きが全く無い。
原子炉に注水したとしても、次々に発生する原子炉の残留熱を格納容器へ移して一時的に凌いでいるだけであるし、
格納容器には物理的容量的限界があり圧力上昇をベントで凌いだとしても、やがて圧力は上昇し、注水が出来なく
なり、メルトダウンは避けられない。メルトダウンを避けようとしたら、つまり「事故収束に向けた対応」には、
「残留熱除去系復旧」が必ず含まれていなければならない。単に電源復旧したところで、冠水した残留熱除去海水
系のモータの交換(福島第二は自衛隊機で空輸)等の各種復旧作業をしないことには「残留熱除去系復旧」は復旧
しない。なお、「残留熱除去系復旧」が早ければ早いほど、被害は小さくて済む。
(20120620 別紙2(主な時系列)pdf1〜pdf2枚目(対応状況 資料一覧).pdf(popup))
1号機〜3号機の「残留熱除去系復旧の対応状況」が無い。つまり、何もしていない。メルトダウンは避けられない。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf19〜pdf32枚目(電源復旧に関する対応状況).pdf(p)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf23〜pdf32枚目(高圧注水が可能なSLC等を復旧することとし).pdf(p)
下記注。M/C高圧電源盤は 6.9kV、P/C低圧電源盤は 480V、高圧電源車は 6.9kV、低圧電源車は 100V。
なお、RHRモータは 6.9kV、RHRSモータも 6.9kV であり 高圧電源車 6.9kV 直結で作動する。
『 <健全性確認結果の報告>
・ 11日20:56,運転員による点検結果と合わせて,以下の所内電源設備の状況が発電所対策本部に報告された。
1号機:M/C,P/C使用不可。
2号機:P/Cは使用見込み有。M/C使用不可。
3号機:M/C,P/C使用不可。
・ 所内電源及び外部電源の現場状況確認の結果,外部電源の早期の復旧は困難,また,D/G 本体や M/C 等は
水没・浸水状態であり早期の復旧は困難であることから,使用可能な所内電源設備と電源車を用いた電源復
旧を目指した。
・ 並行して,工務部門では 12 日から新福島変電所の復旧を初めとした外部電源復旧工事を開始した。』
『 【1,2 号機電源復旧の準備】
・ 1,2号機は原子炉への注水状況が不明で,3号機は原子炉への注水が行われていたことから,1,2 号機の電源
復旧を優先。11 日夕方から,復旧班は,ケーブル手配や復旧機器の選定等,電源復旧の準備作業を開始した。
使用見込みのある2号機P/Cのうち,接続されている負荷やケーブル敷設の作業性等から,2 号機 P/C(2C)
動力変圧器(6.9kV/480V)を用いて電源復旧を行うこととした。11 日 23:00 頃,復旧班 2 名と協力企業1
名は,暗闇の中,懐中電灯を用いて現場調査を行い,2 号機タービン建屋の定期検査用仮設ケーブル貫通
口が使用可能であることを確認。その近傍の2 号機タービン建屋脇に高圧電源車を配置することとした。
復旧機器としては,原子炉への高圧注水が可能なほう酸水注入系(以下, SLC)等を復旧することとし,
各機器につながる 480V 小容量低圧電源盤(以下,MCC)の位置など,電源供給の経路を確認。
(略)
同時期に別の部隊が SLC 側の絶縁抵抗を 1 号機 P/C にて測定し、使用可能であることを確認した。
(略)
・ 12日20:05,4号機P/Cが使用できる可能性があることを発電所対策本部に報告。
(略)
・ 3号機は、原子炉への高圧注水が可能な SLC ポンプや、PCV ベント弁、直流電源設備の充電盤等を復旧する
こととした。』
1〜3号機の復旧機器は、必然性というよりも、作業性の観点で、決められている。
これは、大問題である。
例え復旧させたところで、使えるのは3日間のみである。S/Pの上部空間が埋まってしまえば、それ以降は使えない。
これが大きなボタンの掛け違えで、多大な作業を浪費させることになった。
どんなに困難であっても、残留熱除去系を応急復旧させないことには、メルトダウンを防ぐことはできない。
最初から残留熱除去系の応急復旧に取り掛かるべきであった。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf23枚目(高圧注水が可能なSLC等を復旧することとし).pdf(pop)
『 復旧機器としては,原子炉への高圧注水が可能なほう酸水注入系(以下, SLC)等を復旧することとし,』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf27枚目(1,2号機計測用電源の復旧:12日15:00頃).pdf(pop)
小型発電機による応急復旧
20120620 別紙2(主な時系列)pdf27枚目(発電所構外企業事務所から高圧側ケーブルをドラムごと).pdf(p)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf29枚目(3号機は、原子炉への高圧注水が可能な SLC ポンプや、).pdf(p)
『 3号機は、原子炉への高圧注水が可能な SLC ポンプや、PCV ベント弁、直流電源設備の充電盤等を復旧すること
とした。』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf33枚目〜37枚目(1号機:主な時系列).pdf(p)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf35枚目〜37枚目(1号機:ベントと避難がガチンコ).pdf(p)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf38枚目 頁36(1号機、津波後の大問題).pdf(popup)
『 中央制御室の運転員は、ホワイトボードや制御盤に記載するなどして原子炉水位を継続的に監視した 』
運転員は、原子炉水位を継続的に監視しているだけで、何のアクションも起こしていない。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf38枚目 頁36(16:42 -90cm).pdf(popup)
『 16:42 -90cm 』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf38枚目 頁36(ホワイトボードのみ拡大).pdf(popup)
『 ホワイトボード 』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf38枚目 頁36(ホワイトボード:16:55 - 16:57).pdf(popup)
『 ホワイトボード:16:57 -150cm 』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf38枚目 頁36(ホワイトボード:16:57 -150cm).pdf(popup)
『 ホワイトボード:16:57 -150cm 』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf41〜42枚目(ICの18:18の操作).pdf(popup)
『 ・ 一方、中央制御室では、運転員が非常灯や懐中電灯の灯りを頼りに手順書などを確認し、何が出来るか検
討していた。そのような中、一部の直流電源が復活し、IC の戻り配管隔離弁(MO-3A)、供給配管隔離弁
(MO-2A)の表示ランプが点灯していることを運転員が発見、点灯状況を確認したところ、閉であった。
・ 運転員数名が、表示ランプが点灯している制御盤周辺に集まり、対応を協議。通常開であるICの供給配管
隔離弁(MO-2A)が閉であったことから、 IC の隔離信号が発信されている可能性を考えた。
・ 閉のランプが点いているものの、バッテリーが被水している状態で動かすと地絡して二度と操作出来なく
なることも懸念されたが、格納容器の内側隔離弁(MO-1A,4A)が開いていることを期待し、11 日18:18、
運転員が IC の戻り配管隔離弁(MO-3A)、供給配管隔離弁(MO-2A)の操作スイッチにて開操作を実施、状
態表示灯が閉から開となった。運転員は、開操作実施後、蒸気が発生したことを、蒸気発生音と原子炉建
屋越しに見えた蒸気により確認した。 』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf43枚目(全電源喪失時の原子炉圧力の計測方法).pdf(popup)
11 日 20:07、原子炉建屋2階にある原子炉圧力計にて原子炉圧力が 6.9MPa であることを確認した。
(全電源喪失時の原子炉圧力計測:1号機の事例)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf43枚目〜44枚目(11日 19:18、ろ過水タンク).pdf(popup)
『 11日 19:18、消防隊と発電班が原子炉への注水に必要なFPラインを活かしたまま、他のラインについてろ過水
タンクの出口弁を閉めたことが発電所対策本部に報告された。 』
上記の報告が所長に伝わっていないか所長が理解していない。
上記の報告を所長が有効に活かしていれば「海水を止めろと言うけれども止めるな」などの芝居は発生しない。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf45枚目( 通称:ブタの鼻 ).pdf(popup)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf55枚目(ベント:協力企業への問い合わせ).pdf(popup)
『 ベント操作に必要な圧力抑制室ベント弁が、手動操作可能な型式・構造であるか確認するために、関連する図面
の調査や、協力企業への問い合わせを実施。 』
下記が訓練されていれば、手動ハンドルで操作可能なことを運転員全員が当然のこととして知っていなければなら
ない。いや、手動ハンドルで操作可能ではなくて、手動ハンドルで操作を行わねばならない場合があるのである。
例えば、耐圧ベントが不調の場合には、代替手段としてのSGTS及びパージファンラインによるベント手段が2重
3重の安全設備として装備されているからである。これを知らないということは、いったいどういうことか?
例えば、格納容器圧力がラプチャーディスク作動圧 427kpa[gage] よりも低く、耐圧ベントが出来ないけれども、
代替注水のためにベントを行い格納容器の背圧を下げたい場合等である。
上記の実際の事例について、確認中。
(20111220 1号機(兆候ベース) 4. 格納容器制御 pdf16枚目(SGTSベント手順:手動ハンドルで行う) .pdf(p))
『(補5)圧力抑制室ベントバイパス弁
[AO-1601-90]の「開」操作は、現場の手動ハンドルにより徐々に行う。
CS操作により「開」にすると、SGTS及びパージファンラインの耐圧が低いため破損し、建屋内がPCV内ガス
にて汚染する可能性がある。 』
注。圧力抑制室ベントバイパス弁[AO-1601-90]は、耐圧ベントで使用する小弁と同一番号である。
下記にそれを示す。
(20111220 1号機(兆候ベース) 4. 格納容器制御 pdf14枚目(耐圧ベント手順 図面参照番号が無い).pdf(pop)
注。耐圧ベント手順の圧力抑制室小弁(ベントバイパス弁)は[AO-1601-90]である。
上記pdfに、耐圧ベント手順はあるが、図面参照番号がない。
下記pdfに、格納容器ベントライン図はあるが、耐圧ベントラインが書き込まれていない。
(20111220 1号機(兆候ベース) 10. 参考資料 pdf17枚目(格納容器ベントライン:耐圧ベントラインが図面に無い).pdf(p))
注。圧力抑制室小弁(ベントバイパス弁)[AO-1601-90]は、単に 90 と表記されている。
上記1号機の格納容器ベントライン図には、アクシデントマネジメント対策で追加された耐圧ベントラインが書き
込まれていない。これは、耐圧ベントラインを使用したベントの訓練はおろか説明さえも行われていなかったこと
を意味している。訓練が行われていれば、このような耐圧ベントライン無しの図面が残っていることはあり得ない。
なお、下記3号機の格納容器ベントライン図には、耐圧ベントラインが書き込まれている(MO弁271のライン)。
(20111220 3号機(兆候ベース) 10. 参考資料 pdf21枚目(耐圧ベントライン:書き込まれている).pdf(popup))
ちなみに、下記2号機の格納容器ベントライン図には、耐圧ベントラインが書き込まれているがこの図はいったい
何なのか。205と206のどちらがメインでどちらがバイパスかさえも分からない。
(20111220 2号機(兆候ベース) 10. 参考資料 pdf20枚目(格納容器ベントライン:この図は何なの?).pdf(popup))
上記2号機の格納容器ベントライン図には、アクシデントマネジメント対策で追加された耐圧ベントラインが
追加されて書き込まれてはいるが(H.11(1999)-7-1:AM対策)(MO弁271のライン)、そもそもこの図は
いったい何なのか。多分、元々の当初からの図面が205弁の配管が途中で切れているいい加減な図面であり、
長年そのまま放置されていた。その図面に追加された耐圧ベントラインを1999年に書き込んだが、配管が途
中で切れている部分は面倒なので修正せずに、そのまま放置した。まったくいい加減で杜撰である。
なお、問題なのは、手順書がいい加減ということばかりではない。ベントの訓練が行われていれば、このよう
な図面がそのまま残っていることはあり得ず、ベントの訓練が行われていなかったことが大問題なのである。
いったい205弁の先はどこに接続されているのか?
(20111220 1号機(シビアアクシデント) 2. pdf43枚目〜44枚目(S/Cベント手順).pdf(popup))
上記pdfの中では、格納容器のベント操作に関する圧力単位は「kPa」で指示されている。
ところが、AM制御盤の圧力メータの単位は「kg/cm2」になっている。下記pdf参照。
このことは、この手順書を使用したベント訓練がたったの1回も行われていなかったことを意味している。
もし訓練が行われていれば、間違いに気付き、圧力の単位が「kPa」に修正されていたはずである。
(20111220 1号機(シビアアクシデント) 4. 参考資料 pdf1枚目(AM制御盤 圧力の単位がMKS単位).pdf(p))
上記は、下記の改訂漏れ。 (20111220 1号機(シビアアクシデント) 改訂履歴 pdf3枚目(2009-1-10 SI単位化に伴うMKS単位完全削除).pdf(p))
※ それにしても、耐圧ベントラインが図面に書かれていなかったり、単位が違っていたり、手順書が余りにも
酷すぎる。
このことは、手順書を使用した訓練が一度たりとも行われていなかったことを意味している。
そうゆうことですよ、菅総理。基本さえ全く出来ていないのに、応用などは夢のまた夢。日本は滅亡しますよ。
(20120705 国会事故調 本編 pdf312枚目(菅総理「なぜベントが実施できていない」).pdf(popup))
『 菅総理は、福島第一原発において「なぜベントが実施できていない」などと相当に厳しい様子を見せていた』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf56枚目(D/W圧力の計測方法:小型発電機).pdf(popup)
『 11 日 23:50頃、中央制御室の照明仮復旧用に設置した小型発電機交流電源を D/W 圧力計に繋いだところ、
指示値が600kPa[abs]であることを確認。』(全電源喪失時のD/W圧力計測:1号機の事例)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf56枚目( 11 日 23:50頃、D/W 圧力が 600kPa[abs]).pdf(popup)
『 11 日 23:50頃、中央制御室の照明仮復旧用に設置した小型発電機交流電源を D/W 圧力計に繋いだところ、
指示値が600kPa[abs]であることを確認。』
1号機最高使用圧力 427kPa[gage] = 528.3kPa[abs] (528.3kPa[abs] = 427kPa[gage] + 101.3kPa(=1気圧))
格納容器の圧力が最高使用圧力を超えているので、直ちにベントを実施しないと水素ガスが原子炉建屋内へ漏れ
出し、原子炉建屋が水素爆発を起こす危険性がある。ベントに一刻の猶予もない。直ちにである。
注。1号機の格納容器は、過去の検査において、機密性が低く、下限ギリギリで検査を通過している札付き容器。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf56枚目(12 日 2:30、D/W 圧力が 840kPa[abs]).pdf(popup)
『 12 日 2:30、D/W 圧力が 840kPa[abs](最高使用圧力 427kPa[gage])に到達したことを確認。』
1号機最高使用圧力 427kPa[gage] = 528.3kPa[abs] (528.3kPa[abs] = 427kPa[gage] + 101.3kPa(=1気圧))
20120620 別紙2(主な時系列)pdf56枚目(換算:[abs] - 101.3kPa(1気圧) = [gage]).pdf(pop)
1号機格納容器最高使用圧力 427kPa[gage]は、絶対圧力換算で、528.3kPa[abs](528.3kPa[abs] = 427kPa[gage] +
101.3kPa(1気圧))
つまり、[abs] = [gage] + 101.3kPa [gage] + 101.3kPa = [abs]
つまり、[gage] = [abs] - 101.3kPa [abs] - 101.3kPa = [gage]
20120620 別紙2(主な時系列)pdf63〜pdf68枚目(2号機:主な時系列).pdf(p)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf63〜pdf86枚目(2号機:主な時系列/注水対応/ベント対応:全部).pdf(p)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf71枚目(2号機:HPCI 操作盤).pdf(p)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf71枚目(2号機:HPCI 操作盤(部分)).pdf(p)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf71枚目(2号機:HPCI 操作盤(拡大)).pdf(p)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf73枚目(2号機:13日 13:10, バッテリーをSRV制御盤につなぎ込み).pdf(p)
『 13日 13:10, 復旧班は、バッテリーを中央制御室のSRV制御盤につなぎ込み、SRV制御盤の操作スイッチで
SRV1弁を開操作できる状態とした。 』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf77枚目(2号機:SR弁の開放と原子炉圧力の低下).pdf(p)
1)『 18:02 に減圧が開始されたが、原子炉圧力が下がりきらないことから、SRVを2弁開状態としたところ、
原子炉圧力は低下し減圧が再開された。 』
2)『 原子炉圧力 6.998MPa(16:34) → 6.075MPa(18:03) → 0.63MPa(19:03) 』
(20120615 発電用施設の安全性に関する意見聴取会(第16回)補足資料 pdf21枚目(急速減圧).pdf(popup))
・SRV 4弁以上が使用可能であれば、原子炉を急速減圧し、燃料の重大な損傷を生じることなく低圧系による注水
冷却を行うことが可能。
4弁以上というのは、消防車を使って、さらに海水を注水した場合、これが実は一番厳しいので、この場合には
4弁以上が必要になります。ほかの場合ですと2弁以上であれば減圧は可能で、この場合も1,200℃を超えることは
ないというような結果になります。 ←出典の掲載は後日
20120620 別紙2(主な時系列)pdf79枚目(D/W圧力の計測方法:原子炉建屋2階).pdf(popup)
11 日 23:25 には、原子炉建屋2階にある D/W 圧力計にて、141kPa[abs]であることが判明。
(全電源喪失時のD/W圧力計測:2号機の事例)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf87〜91枚目(3号機 TAF到達 3/13 4:15).pdf(p)
『 3月13日 6:19 4:15に有効燃料頂部(TAF)に到達したものと判断、官庁等に連絡 』
3号機のRPV破損時刻を試算すると、
(20120914 2011年3月11日?時?分(FAX送付は21時48分)(原災法第15条-6報(FAX)).pdf(popup))
『 2号機のTAF到達予想は、21時40分頃と評価しました。
炉心損傷開始:22時20分頃
RPV破損 :23時50分頃 』
2号機を参考にすると、3号機のRPV破損(いわゆる底抜け)時刻は6時25分ということになる。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf88枚目(3号機:HPCI自動起動(原子炉水位低)、HPCI停止).pdf(p)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf92枚目(RCIC及びHPCIの原子炉注水ライン概要).pdf(popup)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf92〜101枚目(3号機 直流電源は使用可能).pdf(p)
『 全交流電源が喪失したものの直流電源は影響なく使用可能。この直流電源を運転制御に使用する原子炉隔離時
冷却系(以下,RCIC) 及び高圧注水系(以下,HPCI)を用い,操作手順書に基づいて原子炉水位の確保を実施した。』
『 ・ 運転員は、RCIC の起動停止によるバッテリー消費を避けること及び原子炉水位確保を安定して行うため、
原子炉水位高により自動停止に至らない措置、運転制御に必要なバッテリーを節約する措置を実施。 』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf92〜101枚目(3号機 バッテリーの使い方に問題 消費を避ける→使え).pdf(p)
頁90 RCICの運転
『 運転員は、RCICの起動停止によるバッテリー消費を避けること及び 』
頁93 HPCIの運転
『 バッテリーの節約についても、RCICと同様に 』
頁93
『 ・ 発電所対策本部と中央制御室は、既設設備での原子炉への注水手段を
RCICの後は、HPCI、HPCIの後はDDFPにより注水することを考えていた。 』
頁95
『 ・ 13 日 2:42、運転員は中央制御室の HPCI 制御盤にて、HPCI の停止ボタン
を押すとともに HPCI タービン蒸気入口弁を操作スイッチで全閉とし HPCI
を停止した。この時の原子炉圧力は 0.58MPa まで低下していた。 』
『 【DDFP による代替原子炉注水への移行】 』
『 ・ HPCI から DDFP による代替原子炉注水に移行するために、13 日 2:45に中
央制御室の SRV 制御盤にて SRV1 弁の操作スイッチを開操作し、原子炉の
減圧操作を試みるも、開動作せず。その後、SRV 全弁を順次、操作スイッチ
にて開操作するが開動作しなかった。原子炉圧力が上昇し DDFP での注水が
できない状況が発電所対策本部へ報告された。 』
頁98〜頁99
『 13 日 9:08 頃、復旧班2名は、(SRVに)12V のバッテリーを 10 個直列に
接続する作業を開始していたところ、運転員が原子炉圧力の低下を確認した。
(略)原子炉圧力の減圧により、DDFPによる注水を開始 』
原子炉冷却が6時間強停止していれば、メルトダウンが始まっていても何の不思議もない。時既に遅し、である。
上記の運転操作について、事故時運転操作手順書との比較において、問題があると考えられる。
以下に、その関連部分と解釈を示す。
(20111220 3号機(事象ベース) 第12章 外部系統事故 12-4 全交流電源喪失 pdf50〜pdf51枚目.pdf(popup))
頁 12-4-2
『 2.1 全般的な注意事項
(3) 8時間(注)以内に、外部電源又は非常用D/Gを復旧させれば、炉心の損傷なしに収束させること
ができるので、不用意な運転操作によってRCIC、HPCIの運転継続を損なわせてはならない。
このため以下の点に注意する。
a. 原子炉水位、圧力等重要なパラメータの連続監視を行う。
b. RCIC、HPCIのL-2/L-8による不必要な起動、停止を避ける。
c. 電源復旧し、低圧の非常用炉心冷却系(ECCS)が使用可能となるまで原子炉の減圧を行わない。
(注)RCICとHPCIをシリーズに運転することにより給水能力は、8時間に延長することが可能。 』
頁 12-4-3
『 [参考事項] HPCI、RCIC運転不能時消化系による注水
消化系にはディーゼル駆動の消化ポンプを有しているため、全く他の注水系が使用できない場合には
代替注水として使用することができる。しかし、ポンプ揚程が60数mのため、原子炉へ注水するには
原子炉の減圧が必要となる。
従って、原子炉の減圧に必要なSRVの制御電源であるDC電源が枯渇する事故後8時間以降は注水系と
して期待できない。 』
上記を要約すると、
1)8時間以内に、外部電源又は非常用D/Gの復旧が確実な場合は、不用意な運転操作によって、バッテリ
ーを消費させてはならないし、原子炉の減圧も行わない(通常運転圧力(約7MPa))。
2)3.11のように、8時間以内に外部電源又は非常用D/Gが復旧することが全く見込めない場合は、代替注
水へ移行しなければならないが、ポンプ揚程が60数m(= 数気圧 = 0.数MPa = 数百kPa)のため、原子
炉へ注水するには、積極的にバッテリーを使ってRCIC、HPCIの運転を行い、原子炉の圧力を10分の1以
下に減圧しなければならない。
(代替注水へ移行すれば、当サイト試算で、87時間は原子炉冷却が可能である。その間に残留熱除去系を
応急復旧させればメルトダウンを防ぐことが出来る。福島第二はそのようにしてメルトダウンを防いだ。
なお、RCIC運転による代替注水が可能なまでの減圧に要した時間は、
福島第二 1号機で8時間03分 2号機で5時間42分 4号機で7時間39分である。
このことは、早めの適切な判断と決断が必要であることを表している。8時間ギリギリまで待って減圧
を開始した場合、代替注水が可能なまでの減圧に達する前にバッテリーがストンと落ち、SRVによる
減圧もできない最悪の状態に陥り、炉心損傷危機に直面する。)
なお、当サイト試算で、3月14日中に残留熱除去系を応急復旧させて残留熱除去を開始しなければメルトダ
ウンが必然的に発生する。この時、残留熱除去系の作動範囲は約1.0MPa以下なので、遅かれ早かれ原子炉
圧力を約1.0MPa以下にしておく必要があり、減圧は必然である。発災後、早期の発電再開による原子炉放
熱は到底望めず、原子炉を冷やすとしたら、残留熱除去系を応急復旧させる以外に方法はなく、残留熱除去
系への移行準備という意味合いも込め、バッテリーが十分有る状態で減圧操作を開始し、先ずは代替注水へ
移行しておくのが、理にかなった運転である。
以下に、改めて3号機の運転について、コメントを示す。
頁90 RCICの運転
『 運転員は、RCICの起動停止によるバッテリー消費を避けること及び 』
運転員は、RCICの起動停止を恐れず、代替注水が可能な低圧力まで、原子炉圧力を減圧しなければならない。
頁93 HPCIの運転
『 バッテリーの節約についても、RCICと同様に 』
運転員は、HPCIの起動停止を恐れず、代替注水が可能な低圧力まで、原子炉圧力を減圧しなければならない。
原子炉圧力が高圧のままだと代替注水への移行が不可だし、
バッテリーがストンと落ちたらSRVによる急速減圧も不可能なので、メルトダウンの危機に直面する。
頁93
『 ・ 発電所対策本部と中央制御室は、既設設備での原子炉への注水手段を
RCICの後は、HPCI、HPCIの後はDDFPにより注水することを考えていた。 』
「HPCIの後はDDFP」ではなく、バッテリーがあるうちにRCICまたはHPCIで水位を確保しつつ減圧しDDFPに
移行しておかなければならない。
注。RCICでCST復水貯蔵タンクの水を原子炉へ注入した冷却水の出て行く先も、 HPCIでCST復水貯蔵タンク
の水を原子炉へ注入した冷却水の出て行く先も、DDFPでろ過水タンクの水を原子炉へ注入した冷却水の
出て行く先も、最終的には、S/Pである。いずれの方法であったとしても、S/Pの上部空間が満杯に近く
なれば、ベント弁が水没することになり、格納容器の健全性は失われる。バッテリーの消費を抑えRCIC
を長時間運転したからといってその分だけ冷却時間が延びる訳ではない。
頁95
『 ・ 13 日 2:42、運転員は中央制御室の HPCI 制御盤にて、HPCI の停止ボタン
を押すとともに HPCI タービン蒸気入口弁を操作スイッチで全閉とし HPCI
を停止した。この時の原子炉圧力は 0.58MPa まで低下していた。 』
『 【DDFP による代替原子炉注水への移行】 』
『 ・ HPCI から DDFP による代替原子炉注水に移行するために、13 日 2:45に中
央制御室の SRV 制御盤にて SRV1 弁の操作スイッチを開操作し、原子炉の
減圧操作を試みるも、開動作せず。その後、SRV 全弁を順次、操作スイッチ
にて開操作するが開動作しなかった。原子炉圧力が上昇し DDFP での注水が
できない状況が発電所対策本部へ報告された。 』
手順書に『 原子炉の減圧に必要なSRVの制御電源であるDC電源が枯渇する事故後8時間以降は注水系として
期待できない。』との記述があるが、8時間以降は、いつバッテリーがストンと落ちても不思議はない。これが
現実になった。
頁98〜頁99
『 13 日 9:08 頃、復旧班2名は、(SRVに)12V のバッテリーを 10 個直列に
接続する作業を開始していたところ、運転員が原子炉圧力の低下を確認した。
(略)原子炉圧力の減圧により、DDFPによる注水を開始 』
原子炉冷却が6時間強停止していれば、メルトダウンが始まっていても何の不思議もない。時既に遅し、である。
後日追記事項。12Vバッテリーの事前準備。
後日追記事項。福島第二のRHR応急復旧時刻。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf128枚目〜143枚目(福島第二 主な時系列等).pdf(popup)
残留熱除去系RHRを応急復旧させれば、残留熱を海水へ放出することができるので、メルトダウンを防ぐことができる。
なお、RHRを応急復旧させるまでの間は、残留熱を代替注水により圧力容器から格納容器へ移して凌ぐこととなるので、
格納容器の温度が徐々に増加していく。100℃を超えると避難指示が出される。その後、格納容器の圧力が設計圧力を
超えるとベントやむなきに至る。福島第二原発では、住民避難指示は出されたものの、ベントは防ぐことができた。
福島第二 :RHR応急復旧時刻 :RHR応急復旧に要した時間
1号機 :3月14日(月) 1時24分 :津波第一波から、58時間 2分後 = 2日と10時間 2分後
2号機 :3月14日(月) 7時13分 :津波第一波から、63時間51分後 = 2日と15時間51分後
4号機 :3月14日(月)15時42分 :津波第一波から、72時間20分後 = 3日と20分後
上記いずれもが、格納容器の圧力が設計値限界にほぼ達していたが、ベント寸前で危機を脱している。
上記の復旧時間短縮には、自衛隊機によるモータ空輸、自衛隊ヘリによる電源ケーブル空輸が大きく貢献している。
福島第一原発は、RHRの応急復旧がなぜ出来なかったのか? 2〜3日いったい何をしていた? (何もしていなかった)
福島第二原発のRHRの海水系復旧には、1機当たり3台のモータポンプの稼働が必要であったが、
福島第一原発のRHRの海水系復旧は、1機当たり1台のモータポンプの稼働だけで済む(第一は設備構成がシンプル)。
福島第二原発の場合、高圧電源車の6.9kVを変圧器で480Vに下げモータに接続する工事が必要であったが、
福島第一原発の場合、高圧電源車の6.9kVをそのままモータに接続するだけで済む(モータ仕様が6.9kV)。
福島第二原発の場合、電源ケーブルを自衛隊ヘリで空輸する必要があったが、
福島第一原発の場合、協力企業に電源ケーブルが有り、直ちに工事に着手することが可能だった。
(20120723 政府事故調(最終報告)2 pdf166枚目(第二原発:(1号機に危機迫る。正に綱渡り)).pdf(pop))
1号機のEECWポンプ(1B)の復旧が間に合わない。格納容器の圧力が上がり続け爆発の危険が迫っている。
ベントをすれば格納容器の圧力は下げられるが、風評被害は避けられない。爆発の危険は迫る。ベントは避けたい。
軸受冷却用のポンプ復旧を待てず、軸受焼き付きのリスクを冒し、RHR起動に踏み切り、格納容器の冷却を開始した。
EECWポンプ(1B)は、この20分後に復旧した。20分待てない程に事態は緊迫していたのである。
ちなみに、EECWポンプ(1B)のモータは自衛隊機で空輸したモータであり、電源は高圧電源車+変圧器であり、
これらを接続した電源ケーブルは自衛隊ヘリで空輸したものであった。
自衛隊の支援がなければ、ベントが避けられなかったに相違なく、メルトダウンに至っていても何の不思議もない。
メルトダウンを防ぐために何が必要か、そしてそのために必要な機材は何処に有るか、そしてそれら必要な機材を
どうやって運ぶか、そして工事をどうやって間に合わせるか、マニュアルの無い問題を次々に解かねばならない。
そしてそれを解いた。
追記。福島第二 4号機のRHRCポンプ(B)のモータは、柏崎刈羽原発からの陸送によるものである。福島第二は八方
手を尽くしていた。その結果、間に合ったのである。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf128枚目〜130枚目(福島第二 1号機:主な時系列).pdf(popup)
『 3月11日(金)
15時22分 津波第一波確認(以降、17:14 まで断続的に津波確認)。 』
『 3月12日(土)
5時22分 圧力抑制室(以下、「S/C」)温度が100℃以上となったことから、原災
法第15条第1項の規定に基づく特定事象(圧力抑制機能喪失)が発生
したと判断、5:48 に官庁等に通報。 』
注。上記は、総理大臣による緊急事態宣言、避難指示に該当する特定事象の発生である。
『 3月12日(土)
7時45分 内閣総理大臣から、福島第二原子力発電所から半径 3km 圏内の住民に
対し避難指示、半径 10km 圏内の住民に屋内退避指示。 』
『 3月12日(土)
14時05分 国による避難住民の避難措置完了確認(楢葉町及び富岡町の 3km 以内
避難措置完了確認)。 』
『 3月12日(土)
17時39分 内閣総理大臣から、福島第二原子力発電所から半径 10km 圏内の住民に
対し避難指示。 』
注。避難指示を出したのは、応急復旧工事が困難であることが想定されたからである。
『 3月12日(土)
18時30分 PCV 耐圧ベントライン構成完了。 』
注。格納容器の破裂を防ぐために格納容器内の圧力を空気中に放出する最終手段の準備完了。(正に、背水の陣)
注。21時 自衛隊機によるモータ空輸始まる。
『 3月13日(日)
20時17分 残留熱除去機器冷却海水系ポンプ(B)手動起動。 』
『 3月13日(日)
21時03分 残留熱除去機器冷却系ポンプ(D)手動起動。 』
『 3月14日(月)
1時24分 残留熱除去系(以下、「RHR」)ポンプ(B)手動起動(S/C 冷却モード開始)。 (略) 』
『 3月14日(月)
1時44分 非常用ディーゼル発電設備冷却系ポンプ(B)手動起動。 』
続きは後日。いずれにしても、RHRが動き出せば、海水への熱放出が可能になるので、冷温停止へは時間の問題。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf131枚目〜132枚目(福島第二 2号機:主な時系列).pdf(popup)
『 3月11日(金)
15時22分 津波第一波確認(以降、17:14 まで断続的に津波確認)。 』
『 3月14日(月)
7時13分 RHRポンプ(B)手動起動(S/C 冷却モード開始)。 』
続きは後日。いずれにしても、RHRが動き出せば、海水への熱放出が可能になるので、冷温停止へは時間の問題。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf135枚目〜137枚目(福島第二 4号機:主な時系列).pdf(popup)
『 3月11日(金)
15時22分 津波第一波確認(以降、17:14 まで断続的に津波確認)。 』
『 3月14日(月)
15時42分 RHRポンプ(B)手動起動(S/C 冷却モード開始)。 』
続きは後日。いずれにしても、RHRが動き出せば、海水への熱放出が可能になるので、冷温停止へは時間の問題。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf139枚目(福島第二 津波が迫ってきた、、現場監視カメラにより確認、).pdf(
20120620 別紙2(主な時系列)pdf142枚目(福島第二 当初は2号機を優先、、1号機優先に変更).pdf(popup)
『 当初は2号機を優先し対応することとしてケーブル敷設を開始したが、その後、パラメータ推移の変化による評価
に基づき、1号機を優先するように変更した。 』
優先順位を変え、2号機を後回しにせざるを得ないということは、要員がひっ迫していたということである。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf142枚目(福島第二 最長で約800mもの距離をケーブル敷設する必要が).pdf(p
20120620 別紙2(主な時系列)pdf142枚目(福島第二 総延長距離約9kmの仮設ケーブル敷設).pdf(popup)
20120620 別紙2(主な時系列)pdf142枚目(福島第二 モータの洗浄を実施したが絶縁抵抗が回復しなかった).pdf(
自衛隊機で空輸したモータと交換し、福島第二 1号機のメルトダウンを防いだ。
なお、電源は高圧電源車の6.9kVを、動力変圧器で480Vに降圧し、モータに直結し稼働させた。
なお、電源ケーブルは自衛隊ヘリにより、霞ヶ浦から空輸したものを使用した。
つまり、福島、福島第二原発に必要なものが何もかも揃っていた訳ではない。
必要なものを掻き集めてメルトダウンをギリギリ防いだ計画管理は見事である。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf142枚目(福島第二 モータを分解点検の結果、使用できないことが判明).pdf(
柏崎刈羽原発から陸送したモータと交換し、福島第二 4号機メルトダウンを防いだ。
20120620 別紙2(主な時系列)pdf144枚目(津波が来た時刻に、、何が起きたのか分からなかった).pdf(p)
『 ○ 津波が来た時刻に 1、2 号の電源盤のランプがフリッカ(注:点滅)し、一斉に消えていくのを目前で見た。
D/G が止まりバタバタとランプが消えていく状況だったが、何が起きたのか分からなかった。中操(注:中
央制御室)の照明は、2号機側はま っくら、1号機側は非常用灯(薄暗いわずかな照明)に切り替わった。警
報が全て消えて一瞬シーンとなった。2号側が先だったような気がする。目の前で起こっていることが、ほ
んとうに現実なのかと思った。 』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf144枚目(津波が来た時刻に、、何が起きたのか分からなかった。).pdf(p)
『 』←後日書き出し
20120620 別紙2(主な時系列)pdf144〜pdf145枚目(「我々がここにいる意味があるのか」と紛糾した。).pdf(p)
『 ・ 恐怖心というより電源を失って何も出来なくなったと思った。若い運転員は不安
そうだった。「操作もできず、手も足も出ないのに我々がここにいる意味があるの
か、なぜここにいるのか」と紛糾した。(最後はどう収めたのですかの問いに対し
て)自分が「ここに残ってくれ」と頭を下げた。続いて別の当直長も無言で頭を下
げてくれた。(略)
・ 手も足も出なかった時、何もできないから非常用の乾パンと水を取ってきて食べろ
と指示し、少しでも落ち着かせようとした。
・ 一部の人からここに残ってどうなるんですかという意見があり、他の人も口には出
さないが同じような思いだったと思う。気分が悪くなって横になった人もいて、そ
の人は今も(注:聞き取り時点)出社できない状況。 』
20120620 別紙2(主な時系列)pdf145枚目(操作もできず、手も足も出ない = 中央制御室等使用不能).pdf(p)
20120620 添付資料 .pdf(popup)
※
正誤表.pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf7枚目(地震観測記録).pdf(popup)
地震最大加速度は、自動スクラム動作に必要な加速度の2倍以上だった。(手順書選択問題関連)
20120620 添付資料 pdf62枚目(非常時炉心冷却(ECCS)の系統).pdf(popup)
下記のpdf63枚目は誤りで、正しくは上記のpdf62枚目
20120620 添付資料 pdf63枚目(非常時炉心冷却(ECCS)の系統).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf74枚目(1号機における設備・機器の主な取替・修理実績).pdf(popup)
原発は、原発修理工場でもある。たいていの設備・機器は、取替・修理ができる。壊れたら直せば良い。
20120620 添付資料 pdf79枚目(消火設備 ろ過水タンク→屋内消火栓).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf79枚目(建屋送水口の設置).pdf(popup)
(20111226 政府事故調(中間報告)第2章資料 pdf88枚目(送水口竣工 平成22(2010)年6月).pdf(popup))
20120620 添付資料 pdf81枚目(アクシデントマネジメント(AM)整備(平成14(2002)年5月)).pdf(p)
20120620 添付資料 pdf82枚目(消火系のろ過水タンクから代替注水が可能なように改造).pdf(popup)
(20111226 政府事故調(中間)第6章資料 pdf10枚目(消火系のろ過水タンクから代替注水が可能なように整備).pdf(p)
平成14年 = 2002年
(20110909 東電 3号機 添付資料 pdf32枚目(代替注水図:ろ過水タンク/消防車).pdf(pop))
20120620 添付資料 pdf83枚目(耐圧ベント追加 ベントラインは3系統に).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf121枚目(1号機アラームタイパによれば:地震による自動スクラム).pdf(popup)
『 地震による自動スクラム 』(手順書選択問題関連)
20120620 添付資料 pdf136枚目(1号機:原子炉再循環(PLR)ポンプ入り口温度).pdf(popup)
『 』←後日書き出し
20120620 添付資料 pdf192枚目(福島第一原子力発電所 外部電源系統概略図(被害状況)).pdf(popup)
短時間では復旧困難(バッテリー使い方問題関連)
20120620 添付資料 pdf193枚目(福島第一原子力発電所 外部電源設備の被害状況).pdf(popup)
短時間では復旧困難(バッテリー使い方問題関連)
20120620 添付資料 pdf194枚目(福島第一原子力発電所 外部電源復旧の経緯).pdf(popup)
短時間では復旧困難
20120620 添付資料 pdf195枚目(福島第一原子力発電所 外部電源復旧概略図).pdf(popup)
短時間では復旧困難(バッテリー使い方問題関連)
20120620 添付資料 pdf272枚目(非常用復水器(IC)参考図).pdf(popup)
(蒸気の出方問題関連)
20120620 添付資料 pdf295枚目(1号機:非常用炉心冷却系 本体冠水状況).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf296枚目(1号機 系統概略図 SHC?).pdf(popup)
残留熱の海水への放出ルートは下記の3つのループにより構成されていると思われる。
1)圧力容器の※2から出て「原子炉停止時冷却系ポンプ」により「原子炉停止時冷却系熱交換器」を経て
圧力容器の※1へ戻る、ループ
2)「原子炉停止時冷却系熱交換器」の※8から出て「原子炉補機冷却系ポンプ」により「熱交換器A/B/C」を経て
「原子炉停止時冷却系熱交換器」の※9へ戻る、ループ
3)海水を「補機冷却海水系ポンプ」により汲み上げて「熱交換器A/B/C」を経て海へ戻す、ループ
20120620 添付資料 pdf297枚目(2号機:非常用炉心冷却系 本体冠水状況).pdf(popup)
後日追記
20120620 添付資料 pdf298枚目(2号機:系統概略図).pdf(popup)
東電の報告書によれば福島第一原発では津波により残留熱除去系海水ポンプも電源盤も
被水し全滅したことになっている。一刻も早く被水したモータを交換し、電源ケーブル
を布設し高圧電源車から給電して残留熱除去系を復旧させないことには、メルトダウン
は避けられない。残留熱除去系を復旧させ、核燃料の崩壊熱を海へ逃がすことが出来る
ようになればメルトダウンは避けられるのである。
事実、津波により同様の被害を受けた福島第二原発は、自衛隊に原子力災害派遣を要請
し三重から自衛隊機でモータを空輸し、霞ヶ浦から自衛隊ヘリ3機で電源ケーブルを空
輸し、電源車からの給電も組み合わせて残留熱除去系を応急復旧させ、メルトダウンを
ギリギリ防いだ。
しかるに、福島第一原発は自衛隊にモータあるいは電源ケーブルの輸送要請はしていな
い。
ここで、大きな疑問が湧く。果たしてモータは本当に全滅していたのか。
それとも予備のモータが有ったので自衛隊の支援は不必要だったということなのか。
ならば、予備品も高圧電源車もあったのになぜメルトダウンさせてしまったのか。
残留熱除去系の復旧工事はどの程度進んでいたのか。
後日追記。
20120620 添付資料 pdf299枚目(3号機:非常用炉心冷却系 本体冠水状況).pdf(popup)
後日追記
20120620 添付資料 pdf300枚目(3号機:系統概略図).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf309枚目(福島第二 1号機:系統概略図).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf312枚目(福島第二 2号機:系統概略図).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf318枚目(福島第二 4号機:系統概略図).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf319枚目(福島第一 1号機:高圧注水系(HPCI起動不可)).pdf(popup)
(20111220 1号機(事象ベース) 第12章 外部系統事故 pdf65枚目(HPCIの機能喪失は、第15条緊急事態).pdf(p))
『 原災法第15条緊急事態:原子炉の運転中に外部電源が喪失し、かつ全てのD/Gからの受電を失敗することにより、
全ての所内高圧系統(6.9KV)の母線が使用不能となった場合において、HPCI系の機能が喪失した場合。』
20120620 添付資料 pdf321枚目(余震の発生状況 津波警報の発表実績).pdf(popup)
(ICの異常運転関連)
20120620 添付資料 pdf327枚目(福島第一 1号機 プラントデータ推移).pdf(popup)
圧力を下げようとしていない。(ICの異常運転関連)
20120620 添付資料 pdf336枚目(非常用復水器(IC)電動弁インターロックブロック線図).pdf(popup)
後日追記
20120620 添付資料 pdf337枚目(非常用復水器(IC)隔離信号回路図).pdf(popup)
後日追記/span>
20120620 添付資料 pdf338枚目(非常用復水器(IC)弁状態経緯).pdf(popup)
(手動による弁操作関連)
MO-1301-1AおよびMO-1301-4Aの津波後の状態表示が ? になっているが、
18:18のMO-1301-2AおよびMO-1301-3Aの開操作により、系統が機能したことを表す蒸気の発生を僅かな時間では
あるものの確認したとされており、
系統が機能するためには1Aおよび4Aも開状態が継続していたと判断するのが妥当である。したがって、
MO-1301-1AおよびMO-1301-4Aの津波後の状態表示は閉を表す ? ではなく、開を表す 丸印 が妥当な表示である。
なお、直流電源断によるフェイルセーフにより2Aは自動的に閉になっているが1Aおよび4Aは閉になっていない。
上記は「交流電源の方が直流電源よりも先に断になった」からであり、もし逆ならば、1Aおよび4Aも閉になる筈で
ある。
20120620 添付資料 pdf345〜346枚目(運転員は、IC の「動作状態がわからなくなった」 と証言).pdf(popup)
『 2. 中央制御室における認識
津波直後の中央制御室では、運転員は、IC の「動作状態がわからなくなった」と証言しており、本報告書において
これを事実認定している。この件に関わるグループ討議等を通した運転員への聞き取り結果を以下に記す。
(1)運転員の認識
① 津波襲来直後の中央制御室では、計器や機器の状態表示灯が消えていき、また、照明が消え最終的に非常灯
のみとなる中、IC の隔離弁の状態表示灯も消灯した。このような中、当直長を含む複数の運転員は IC が動
作しているかどうかわからなかったと証言している。
② 当直長は、中央制御室では IC の動作状態が確認できないことから、発電所対策本部に蒸気の吹き出し状態
を確認するよう依頼していたと証言している。また、時間は明確に覚えていないものの、発電所対策本部か
ら蒸気が出ていることを聞いた、蒸気の発生量が少なく IC の動作状態に疑問を持ったと証言している。
③ 発電所対策本部発電班は11日16時44分に蒸気が出ていることを確認している。 ②に述べた当直長による依
頼を受けたものかどうか特定するには至らなかったが、 蒸気が出ていることを確認した発電班員は蒸気の
発生量は少なかったと証言しており、当直長の証言とも合致することから、この確認は当直長による蒸気の
確認依頼を受けて行われた行為である可能性が高いと考えられる。
④ IC の現場確認に向かった複数の運転員は、現場状況の確認の一環として IC の動作状態を把握するために胴
側の水位を確認しに行ったと証言している。一方、IC が停止しているとの認識の下で隔離弁を手動で開けに
行ったとの証言はなかった。
⑤ 以上、②及び④で述べた内容は、IC の動作状況がわからないという認識のもとに実施された行為と考えられ
る。
⑥ 一方、上述の証言と反する意見として、津波襲来直前まで IC の隔離弁の開閉操作を行っていた運転員のうち
1名から、「隔離弁(3A 弁)が閉の状態で電源を喪失した。 その事を他の運転員に伝えた。」との証言が得ら
れている。しかし、他の運転員からは、この事実を記憶しているとの証言を得ることは出来なかった。また、
後述するとおり当該運転員の隔離弁(3A)の操作スイッチの位置に対する記憶が変わってお り、この証言が公
表された各種調査結果を踏まえたものであることを否定できない ものであった。以上から、本報告書におい
ては事実認定するに至らなかった。
⑦ なお、当直長は、IC の動作状態がわからなかったことから、動作していないかもしれないと考えた上で現場
対応の指示を出していたと証言しており、仮にその時点で隔離弁(3A)が閉である旨報告を受けていたとして
も、以下のような状況から、その後の現場確認を開始する時間や内容は変わるものではないとの認識を示して
いる。
⇒ 津波によりタービン建屋地下階が水没し、サービス建屋1階も冠水、余震が継続、大津波警報が発令さ
れ、高さの異なる津波が何度も押し寄せ海側のエリアを覆う津波も確認される中では、現場の安全確認が
取れておらず、必要な装備も整っていなかったためすぐには現場に向かわせることが出来なかった。
⇒ しかしながら、監視計器や各種表示ランプが消灯した中央制御室ではプラントの状態を把握できないこと
から、当直長は今後の復旧に向けた建屋内の被害状況や進入ルートの把握、津波による電源設備の被水状
況、設備の使用可否の確認等の現場確認を行う準備を開始した。現場の状況がわからないこと、設備の使
用可否の判断を行うこと等を考慮し、若い運転員ではなく、当直長、当直副長に現在の現場状況を熟知し
ている運転員を加えた2名1組の体制とした。また、万が一の場合に中央制御室から救援に向かうことがで
きるよう、行き先を明確にするとともに、現場確認時間の制限を行った。
(参考)当時の原子炉圧力のチャートによれば、原子炉圧力が上昇している途中で記録が停止していることから、当時
IC の隔離弁(3A 弁)は閉であったと考えられる。
(2)戻り配管隔離弁(MO-3A)の操作スイッチの位置について
津波襲来直後に、隔離弁(3A)の状態を認識する方法として操作スイッチの位置確認があるが、その位置の特定には至
らなかった。これに関する運転員への聞き取り結果を以下に記す。
① 当時操作を行っていた運転員は、18時18分の開操作前に確認したときには閉であったと証言していたが、その
後の聞き取りにおいて、記憶がないと証言している。 また、当時操作を行っていた運転員の横にいたと思わ
れる別の運転員は、閉にした 後自動位置にしていたと証言していたが、その後記憶がないと証言している。
② 津波襲来直後、照明等を失った中央制御室で、当直長は非常用炉心冷却系を始めとして操作盤の確認を行い、
原災法第 15 条の判断を行っているが、その際に隔離弁の操作スイッチの位置が閉であることに気付くことは
なかったと証言している。
③ 隔離弁(2A、3A)の表示ランプが閉状態で点灯しているのを発見し、複数の運転員で今後の対応を協議し、
18時18分に開操作を行っている。開操作にあたり、通常操作スイッチが自動位置にある隔離弁(2A)が閉状態
であったため、隔離信号が 入った可能性があると考え、図面等の調査を当直長を含め複数名の運転員で行っ
ていた。当時議論を行っていた当直長を含め複数の運転員は、この時の隔離弁(3A) の操作スイッチの位置が
閉であれば当然誰かが気付いたはずであるが、その時の操作スイッチの位置については明確な記憶はないと
証言している。 以上 』
20120620 添付資料 pdf346枚目(戻り配管隔離弁(MO-3A)の操作スイッチの位置について).pdf(popup)
『(2)戻り配管隔離弁(MO-3A)の操作スイッチの位置について
津波襲来直後に、隔離弁(3A)の状態を認識する方法として操作スイッチの位置確認があるが、その位置の特定には至
らなかった。これに関する運転員への聞き取り結果を以下に記す。
① 当時操作を行っていた運転員は、18時18分の開操作前に確認したときには閉であったと証言していたが、その
後の聞き取りにおいて、記憶がないと証言している。 また、当時操作を行っていた運転員の横にいたと思わ
れる別の運転員は、閉にした 後自動位置にしていたと証言していたが、その後記憶がないと証言している。
② 津波襲来直後、照明等を失った中央制御室で、当直長は非常用炉心冷却系を始めとして操作盤の確認を行い、
原災法第 15 条の判断を行っているが、その際に隔離弁の操作スイッチの位置が閉であることに気付くことは
なかったと証言している。
③ 隔離弁(2A、3A)の表示ランプが閉状態で点灯しているのを発見し、複数の運転員で今後の対応を協議し、
18時18分に開操作を行っている。開操作にあたり、通常操作スイッチが自動位置にある隔離弁(2A)が閉状態
であったため、隔離信号が 入った可能性があると考え、図面等の調査を当直長を含め複数名の運転員で行っ
ていた。当時議論を行っていた当直長を含め複数の運転員は、この時の隔離弁(3A) の操作スイッチの位置が
閉であれば当然誰かが気付いたはずであるが、その時の操作スイッチの位置については明確な記憶はないと
証言している。 以上 』
20120620 添付資料 pdf351枚目(福島第一 2号機 プラントデータ推移).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf359枚目(福島第一 3号機 プラントデータ推移).pdf(popup)
圧力を下げようとしていない。
20120620 添付資料 pdf364枚目(福島第二 1号機 プラントデータ推移).pdf(popup)
福島第二は、圧力を下げている。
20120620 添付資料 pdf365枚目(福島第二 2号機 プラントデータ推移).pdf(popup)
福島第二は、圧力を下げている。
20120620 添付資料 pdf367枚目(福島第二 4号機 プラントデータ推移).pdf(popup)
福島第二は、圧力を下げている。
20120620 添付資料 pdf431枚目(福島第一 資機材の運送状況(電源車)).pdf(popup)
高圧?V 低圧?V(なぜ、電源車を使わなかったのか?)
20120620 添付資料 pdf530枚目(1号機燃料棒有効長:約3.66m).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf531枚目(1号機HPCI流量:682t/h).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf531枚目(3号機HPCI流量:965t/h).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf531枚目(3号機HPCI全揚程:854〜160m:8.54MPa〜1.6MPa).pdf(p)
20120620 添付資料 pdf531枚目(3号機RHR全揚程:128m:1.28MPa).pdf(p)
20120620 添付資料 pdf531枚目(3号機RCIC流量:97t/h).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf531枚目(3号機RCIC全揚程:850〜160m:8.5MPa〜1.6MPa).pdf(p)
20120620 添付資料 pdf536枚目(福島第一 1号機の設備構成の概要).pdf(popup)
上図では、SHCの海水への熱放出系統が分からない。
上図「原子炉停止時冷却系(SHC)」は、下図「原子炉停止時冷却系ポンプ」
上図「SHC熱交換器」は、下図「原子炉停止時冷却系熱交換器」
上図「原子炉補機冷却系(RCW)」は、下図「原子炉補機冷却系ポンプ」
上図「FPC熱交換器」は、下図「熱交換器A/B/C」
上図には、海水を「補機冷却海水系ポンプ」により汲み上げて「熱交換器A/B/C」を経て海へ戻す、という
重要な部分がそっくり抜けている。
(20120620 添付資料 pdf296枚目(1号機 系統概略図 SHC?).pdf(popup))
残留熱の海水への放出ルートは下記の3つのループにより構成されていると思われる。
1)圧力容器の※2から出て「原子炉停止時冷却系ポンプ」により「原子炉停止時冷却系熱交換器」を経て
圧力容器の※1へ戻る、ループ
2)「原子炉停止時冷却系熱交換器」の※8から出て「原子炉補機冷却系ポンプ」により「熱交換器A/B/C」を経て
「原子炉停止時冷却系熱交換器」の※9へ戻る、ループ
3)海水を「補機冷却海水系ポンプ」により汲み上げて「熱交換器A/B/C」を経て海へ戻す、ループ
20120620 添付資料 pdf537枚目(福島第一 2〜5号機の設備構成の概要).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf546枚目〜567枚目(東電用語集).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf549枚目(東電用語集:HPCI).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf553枚目(東電用語集:RCIC/RCW/RHR/RHRC/RHRS等).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf554枚目(1号機:用語SHCは原子炉停止時冷却系).pdf(popup)
20120620 添付資料 pdf554枚目(東電用語集:SLC:ほう酸水注入系).pdf(popup)
『 原子炉運転中、何らかの原因で制御棒の挿入ができない場合に、中性子吸収能力の高い五ほう酸ナトリウム溶液
を注入して原子炉を停止させる制御棒のバックアップ装置。』
20120620 添付資料 pdf556枚目(東電用語集:アラームタイパ).pdf(popup)
『 プロセス計算機から出力されるデータの一種で、異常事象の発生時刻等の記録、プラントシステムの対応動作の
記録等が示される。』
20120620 添付資料 pdf560枚目(東電用語集:原子力圧力容器の耐圧漏えい試験).pdf(popup)
20120620 (平成23(2011)年12月2日)からの主な変更点について.pdf(popup)